フレームが木製のソファを使っていると、欠けや割れがいつの間にかできていた…!なんてことはありませんか?
木材を何層にも重ねてある合板は、そのうちの一部が剥がれてしまうことが多く、修理方法に困ってしまうことも多いようです。
そこで、この記事では、ソファの合板が欠けたり割れてしまったとき、どのように修理すべきか、対処方法をご紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。
(アイキャッチ画像出典:https://unsplash.com/photos/agcTGM582Uo)
そもそも、合板とは?
ソファの修理方法を知る前に、合板とはどんな素材のことを指すのか、あなたはしっかりと把握できていますか?
合板はプライウッド(plywood)とも呼ばれており、薄い板が何層にも重なっている素材です。
「無垢材よりも安い、質が良くない」というイメージがある方も多いかと思いますが、実際にはそんなことはありません。
インテリアコーディネートを行っている企業『Tokyo Kit Furniture』によると、「無垢材が高級」というイメージが先行しただけで、合板と無垢材に金額的な違いはないそうです。
(参考:https://www.tokyo-kit-furniture.com/casa/2015/05/post-22.html)
「成形合板」「積層合板」「曲木」の違いとは?
合板と似た言葉に、「成形合板」「積層合板」「曲木」がありますが、それぞれの言葉には、どのような違いがあるのでしょうか。
成形合板
成形合板とは木材を薄くスライスし、木目を互い違いに重ねて、接着剤で圧着して一枚にした素材です。
さらに上から圧力をかけて、ソファのパーツで使えるような、立体的な凹凸をつくります。
繊維を交互に重ねて木の方向性を無くしているので、反りがありません。また、一枚板よりも強度が高くなります。
積層合板
積層合板とは、先ほどご紹介した”成形合板”を曲げる前の、まっすぐな素材のことをいいます。
成形合板と積層合板はよく混同されがちですが、ソファの修理であれば、成形合板のほうが最適な言葉です。
曲木
曲木とは、無垢材に熱を加えて曲げた素材です。成形合板と違う点は、接着剤を使っていないことと、木材をスライスしていないことです。
無垢材を蒸気で蒸して、熱いうちに木に圧力を加えて曲げるため、成形合板・積層合板とは見た目が全く異なります。
今回は、この中から「成形合板」のソファの修理方法についてご紹介します。
修理方法を知る前に…成形合板の構造を知っておこう
先ほど、成形合板の構造は、”薄くスライスした板を互い違いに何層も重ねてある”とご紹介しました。
修理方法を知る前には、成形合板の構造を理解しておくと便利です。この項目では、成形合板の構造を理解するために、成形合板の製造方法を簡単にご紹介します。
- 乾燥させた木材をスライスする
- スライスした薄い板に接着剤を塗って、重ね合わせる
- 型にはめてプレスし、成型する
- 余分な部分をカットし、パーツを切り出す
成型合板のつくり方から、なんとなく板の構造が理解できましたか?
次の項目からは、成形合板のソファは修理ができるのか、解説していきます!
成形合板のソファ修理は「困難」と言われている!
成型合板が割れたり欠けたりしてしまったら、まずは自分で修理ができるかどうか、気になりますよね。
残念ながら、成型合板の修理には高い技術が必要なため、DIYでの修理をすることはできません。
そのため、ソファの成型合板に傷が入ってしまったら、対応してくれる修理店を探すか、新しくソファを購入するか、いずれかの方法で対処する必要があります。
次の項目からは、成形合板のソファをプロへ依頼した場合の手順からご紹介します。
ソファ修理をプロへ依頼した場合、成形合板の修理はどうなる?
ソファの修理をプロへ依頼した場合、成型合板の修理はどのような手順となるのでしょうか。
修理が困難と知ってはいても、修理店からどのような方法を提案されるのか、あらかじめ知っておきたいですよね。
今回ご紹介するのはソファではなく椅子の修理ですが、成形合板が欠けたときの修理手順について、家具工房『木哲』の対処法を一部ご紹介します。
- 欠けている部分をきれいに切り取る
- 成型合板の接着部分を平らに整える
- 薄い板をつくり、成型合板の欠けた部分に接着剤で張り合わせる
- 接着後、カンナを使って表面の凹凸を削り、滑らかにする
(参考:https://www.facebook.com/media/set/?set=a.546946325348952.1073741828.281848175192103&type=3)
こちらの修理方法は、成形合板の強度は元通りにできませんが、見た目は購入時の状態に戻る方法です。
成形合板のソファは修理まで考えて選ぼう、おすすめは天童木工
成型合板のソファは、どのような修理対応となるのか、事前に調べた上で購入を検討することがおすすめです。
日本で有名な成型合板の家具メーカーといえば、天童木工です。天童木工では、成型合板の家具を製造・販売していますが、アフターサービスとして、修理対応も行っています。
実際に成形合板を修理している事例は見つかりませんでしたが、お問い合わせフォームや電話から、修理の見積りをすることができます。
製品のことをよく知っているのは、ソファのメーカーです。そのため、成型合板のソファを購入するときは、修理対応まで行っている販売店を選ぶと、万が一の場合も安心ですね。
次の項目では、成型合板のソファを天童木工で購入した場合、どのような修理対応となるのか、詳しくご紹介します。
天童木工は、ソファを製造する職人が修理をしている!
天童木工では、修理専門の職人がいません。なぜなら、ソファを製造する職人が修理まで担当しているからです。
製品のことを知り尽くした人の手で修理を行うので、成型合板以外にもソファのパーツが劣化していれば、すぐに気付くことができますね。
実際に天童木工で椅子の製造・リペアを行う職人によると、「入社して24年になるが、それ以前に作られた家具もリペアで戻ってくることがある」ほど、愛用者が多いメーカーです。
また、職人さんは家具の製造段階で「戻ってこないように」と思いながら家具を作るそうです。製造もリペアも、責任を持って対応してくれる天童木工は、おすすめのメーカーです。
(参考:http://www.tendo-mokko.co.jp/stories/repair/)
天童木工と成形合板の歴史
新しくソファを購入するなら、成形合板を扱うメーカーの歴史にもこだわりたいところですね。
世界的に有名な日本の家具メーカー、天童木工は、1940年に山形県天童市で組合を結成したことが始まりでした。
その後、1942年に天童木工製作所を設立し、成型合板の家具を本格的に生産し始めたのは、1947年でした。成型合板だけで見ても約70年と、かなり歴史が長いメーカーです。
1950年には、天童木工が制作した成形合板の家具が注目され、かの有名な、”柳宗理のバタフライスツール”は、1956年の作品となります。
最新の技術を取り入れつつ、新しい家具を次々と発表していった天童木工は、1992年には、天皇・皇后両陛下が工場を視察するほど、家具業界では有名なメーカーとなりました。
天童木工でおすすめのソファ
そんな天童木工では、現在取り扱っているソファの数が、約30種類ほどあります。今回はその中から、おすすめのソファを2点ご紹介します。
ハーモニーソファ
ハーモニーソファは、プロダクトデザイナー佐々木敏光が、デザインを手がけたソファです。
ソファの脚に成型合板を使うことで、クッションが宙に浮いたような、軽やかなデザインとなっています。
他にはない斬新なデザインは、思わず「どこで買ったの?」と聞かれてしまいそうですね。
チェントロソファ
「ジャパニーズモダンの基盤を作った」と言われるほど有名なデザイナー、剣持勇が手掛けた、チェントロソファ。
奥行が浅く、程よく硬いクッションは、ソファに座ったときに、クッションが腰にフィットするよう設計されています。
何年経ってもどこか新しさを感じるデザインのため、長年ソファと過ごしたい、こだわり派の方へおすすめしたいソファです。
【成型合板のソファ修理】まとめ
今回は、成型合板のソファが割れたり、欠けてしまったとき、どのような対処方法があるのかご紹介しました。
成型合板は、修理が困難な素材と言われています。修理店で割れた部分を目立たないように修理することはできますが、強度まで元の状態に戻すことは難しいでしょう。
近くに修理店が無ければ、購入時のメーカーへ修理対応ができないか確認をするか、新しいソファを購入するかのどちらかになります。
成型合板のソファを購入するなら、おすすめのメーカーは天童木工です。家具を製造している職人が修理まで行うため、1つのソファと長く過ごしたいと考えている方は、ぜひ検討してみてくださいね。