毎日ソファの革をお手入れしていても、防ぐことが難しい、ソファの縫い目のほつれ。
実は、革張りソファのほつれ修理はプロでも難しいと言われているんです。あなたは、「修理なんて簡単そうだから、まだしばらくは使えるかな?」と、軽い気持ちで修理方法を調べていませんでしたか?
この記事では、ソファのほつれ修理が難しい理由・修理前に確認すべきこと・ほつれの補修方法についてご紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。
革張りソファに多い、ソファの縫い目のほつれ
布張りソファなら自分でなんとか対処できそうなソファのほつれですが、革張りソファの縫い目がほつれた場合、どう対処すべきか困ってしまいますよね。
革張りソファを持っている方は、使っていくうちに縫い目がほつれてしまい、こんなに困っているようです。
縫い目のほつれをそのままにしておくと、ソファの中身が飛び出てくることもありますし、余計にほつれが広がってしまいそうですね。
ソファのほつれに気づいた時点で、早めに修理をしてあげたいですね。
ソファのほつれ修理は簡単そうに見えて、修理が難しい!
実は、ソファのほつれ修理は簡単そうに見えて、とても修理が難しいんです。
結論からお伝えすると、プロの手であっても、ソファのほつれを根本的に解決する「修理」はできません。ですが、応急処置としての「補修」であれば可能です。
このまま同じ縫製の穴を利用して革を縫い直すと、座ったときの負荷がかかり、また同じようにほつれてしまいます。糸が切れないように太めの糸を使う方法もありますが、糸の太さが目立ってしまうことに。
革のほつれを補修したあと、しばらくは問題ありませんが、耐久性の問題で、同じようにソファのほつれができてしまうでしょう。
(参考「安田屋家具店」:http://yasudaya-kagu.com/archives/2713)
ソファ修理前に確認①ほつれの原因とは?
そもそも、ソファのほつれの原因は何なのか、考えたことはありますか?ソファのほつれの原因は、大きく分けて2つあります。
- 座ったときの負荷が長期間かかったため
- ソファのつくりがあまかったため
ソファの縫い目は、座ったときの体重で負荷がかかり、座面や背面の仕様頻度が高い部分がほつれやすくなります。
また、ソファのつくり自体があまい場合も、縫い目がほつれる原因となります。
家具の販売・修理を行っている『安田屋家具店』のサイトによると、ソファを購入して5年程度で縫い目がほつれるのは、耐久性が悪いクレーム対象になるのだそうです。
(参考「安田屋家具店」:http://yasudaya-kagu.com/archives/2713)
ソファ修理前に確認②ほつれた部分の縫い目は?
ソファの修理を考える前に、もう1つ確認しておくべき点があります。それは、ほつれた部分の縫い目です。ソファの縫い目のタイプは大きく分けて2種類あります。
あなたのソファのほつれは、どちらの縫い目のタイプにあたるでしょうか。ソファの縫い目の画像と照らし合わせて確認してみましょう。
1.表面にステッチが見えないタイプ
1つ目は、表面からステッチが見えないタイプです。”ソファの縫い目”と言われて、まず想像するのがこちらの縫い目だと思います。
裏側からミシンで1回縫製しているだけなので、ほつれの修理は手縫いをすれば、自分でもなんとか縫い合わせることができそうなイメージがありますよね。
2.革のつなぎ目に沿って、ステッチが2列あるタイプ
2つ目は、革のつなぎ目に沿って、ステッチが2列あるタイプです。
一見、「どうやってソファを縫い合わせているんだろう?」と思ってしまうこちらの縫製方法は、合計3回もミシンで縫製しています。
手間がかかるため、大きな工場では3回の縫製を一度で縫うことができる、専用のミシンもあるのだそうです。
ここからは、みんながソファのほつれをどう対処しているのか、補修例をチェックしてみましょう。
ソファのほつれを自分で補修する方法
まずは、ソファのほつれを自分で補修する方法からご紹介します。今回ご紹介するのは、「手軽さ重視」と、「見た目重視」の方法2通りです。
気をつけたいのは、本革のソファには使えない方法ということです。合皮のソファをお持ちの場合、ぜひ試してみてくださいね。
①手軽さ重視なら「合皮補修シート」
時間がない・補修が面倒くさいと、手軽さ重視で補修したいなら、合皮補修シートを使ってみましょう。
シール状の合皮で、シート自体もかなり伸縮性があります。ソファのほつれの上からシートを貼るだけで、補修は完了です。衝撃を受けやすいソファの座面にも問題なく使うことができます。
②見た目重視なら「針と糸」で頑張る!
見た目を重視して補修したいなら、針と糸を使って補修する方法もあります。
この方は、元々あった縫い目をそのまま使って、固めの麻紐で縫い合わせているようですね。
縫い目の種類が「つなぎ目に沿って、ステッチが2列あるタイプ」であれば、かなり大変な作業になるため、根気がある方はぜひ挑戦してみましょう。
ソファのほつれをプロへ補修依頼した場合
ソファのほつれを自分で補修せずに、プロへ依頼した場合、どのような対応となるのでしょうか。
実際にソファのほつれ補修を行った事例を、2通りご紹介します。
修理事例①使用年数によっては「クレーム」になる!?
ソファの使用年数によっては、購入したメーカーへ「耐久性が悪い!」とクレームを入れるように、修理店が勧めています。今回の事例では、ソファの使用年数は5年でした。
(参考:http://yasudaya-kagu.com/archives/2713)
修理事例②デザインによっては「ソファを解体」する
デザインによっては、ソファを一度解体します。ほつれが出ている部分だけでなく、ほつれがある面は全ての縫い直しになるようです。こちらのソファの使用年数は10年でした。
(参考:https://andnuts.com/archives/2263)
ソファのほつれ修理をプロへ依頼する費用
ここまで、ソファのほつれの修理事例をご紹介しましたが、実際にどれくらい費用がかかるのか、気になりますよね。
今回、ソファのほつれ修理費用を調べたところ、残念ながら、ほつれの修理費用についての参考価格は見つかりませんでした。
そこで、修理費用の参考として、『NOYES』のサイトから、の張替え・消耗品交換の修理費用をご紹介します。こちらに目を通して、価格帯のイメージをつかんでみてください。
ソファの張り替え | 3人掛け(幅1800〜2000㎜) | 8〜16万円程度 |
2人掛け(幅1400〜1800㎜) | 7~13万円程度 | |
1人掛け(幅1000㎜くらい) | 6~10万円程度 | |
バネやウエービングベルトといった消耗品の交換 | 4~8万円程度 |
※修理費用とは別に、ソファを修理店まで送るための「送料」が必要です。
詳しい修理費用を確認するには、修理店へ見積もりを依頼するしか方法はありません。見積もりだけなら、無料で対応してくれる店舗もありますよ。
依頼先は「同じ症状での修理経験がある」事が分かるお店を
今回、ソファのほつれ修理事例の調査をしていたところ、ソファのほつれ修理を初めて依頼されたため、ネットで調べて自己流で修理しようとする業者もいることが分かりました。
実際の修理内容を確認してみると、依頼されたソファで様々な修理方法を試して”試行錯誤”していました。ソファの持ち主に手伝ってもらい、一緒に作業をする…なんてことも。
どうやら、事前にソファの写真をお客様から送っていただいていたようなのですが、このような対応は素人の対応も同然です。
お客様のことを考えた修理店であれば、安易に引き受けず、「他の修理店へ相談するように」と、お断りされることでしょう。修理店を選ぶ際には、同じ症状での修理経験があるかどうか確認することが大切です。
ソファのほつれ修理は「昔より増加している」という声も
革張りソファのほつれは、昔よりも増加しているという声があります。
実際に、家具の販売・修理を行っている『安田屋家具店』のサイトによると、縫い目のほつれは”輸入家具のソファーに多い”という情報もありました。
最近この手の修理相談が増えているそうです。簡単に修理できそうに見えるので、修理金額もそれほどかからないだろうと思っておられるようです。輸入家具ソファーに多いようですね。
ところが実際は非常に難しい作業のようです。四代目も今回は勉強になりました。
しかし20年ほど前は、5年で縫製がほつれるソファーなんて考えられませんでしたし、完全なクレームとして処理しなければならない事情でしたが、今はどうなんでしょうか。全国展開の高級大手家具店の店格(プライド)を見せてほしいです!!
(出典:http://yasudaya-kagu.com/archives/2713)
現代では、より安価なソファをつくるために、海外で製造しているソファが数多くあります。
ソファは価格帯で選ぶよりも、日本製の信頼できるメーカーのソファを購入することが、長い目で見てお得になるのかもしれませんね。
まとめ
今回は、革張りソファの縫い目を修理する方法についてご紹介しました。
縫い目のほつれ修理は一見簡単そうに見えますが、意外にも修理が難しい症状です。プロの手でも、ほつれの原因を完全になくす「修理」はできず、あくまでも「補修」での対応となります。
アウトレットの革張りソファとして、縫い目にほつれがあるものが販売されていることもありますが、「お得だから」と価格だけでソファを選ぶと、逆に修理費用が高くついてしまうこともあります。
修理店を選ぶときには、見積もりの時点で、どのような対応をしてくれるのか?過去に修理経験があるのか?など、細かいやり取りを重ねた上で、修理を依頼するようにしましょう。