革張り椅子の張替えを考えるとき、一番心配なことが、「張替え料金」ですよね。
依頼先の店舗を決めるには、料金だけを見て判断しがちですが、まずはなぜその金額になるのか、張替え料金の仕組みについて知ることが大切です。
事前に知識があれば、自分に最適な張替え方法が簡単に見つかりますし、料金のトラブルを防ぐこともできますよ。
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椅子の張替えに使う素材を決めよう。本革と合皮は料金が異なる!
革の種類には大きくわけて、「本革」と「合皮」があります。素材だけでどのくらい料金に差があるのか、あなたは知っていますか?
価格が高い革は、「本革」です。天然皮革とも呼ばれ、動物の皮を加工してつくられています。本革の加工には、長いものだと数か月かかることもあるので、革自体の価格が高いのも納得ですね。
一方、「合皮」は手頃な価格の革です。ビニールレザーとも呼ばれ、人工的に作ることができ、大量生産が可能です。
どちらも、革の品質や仕上げ方法によって価格は様々ですが、目安としては、本革と合皮で約2~3倍も価格の差があります。
革張り椅子は、張替え方法で大まかな料金を決めよう
革の張替えはプロへ依頼するだけではありません。張替え方法は、大きく3つに分けられます。自分の予算に合った方法を見つけましょう!
- DIY張替え(料金目安:5,000円~)
- 座面のみ依頼する、プロの張替え(料金目安:1,500円~)
- 1脚丸ごと依頼する、プロの張替え(料金目安:5,000円~)
いかがでしょうか。料金は店舗によって前後しますが、先ほどの革の価格とあわせて考えると、張替え料金がイメージしやすいかもしれませんね。
ここで気をつけたいのは、張替え方法のなかでも、自分で一から張替えるDIY張替えの場合、使える素材は合皮のみということです。その理由は、本革だと張替えに失敗したときの材料代が安くないからです。
ここからは、3つの張替え料金について、それぞれ詳しくご紹介していきます!
革張りの椅子は、自分で張替えるほうが一番お得?
自分で作業するDIY張替えは、プロが張替えるときの加工費を抑えることができます。
張替え料金自体は一番安くなる方法ですが、初めに必要な道具を購入する必要があるので、初期費用について考えることも忘れないようにしましょう。
道具を購入する場合、高い道具だからといって、質がいいということではありません。100均で道具を揃えるという手もありますので、どこで購入するのかという点も考えてみてくださいね。
椅子の革は頻繁に劣化しないため、DIY張替えは長い目で見ると安く抑えられる張替え方法となります。
「座面を送る革の張替え」は料金がお得な分、椅子の条件に注意!
DIY張替えと違い、張替え作業はプロが行ってくれるので、道具を購入する必要はありません。
ただし、安く提供している分、修理店で対応できる椅子の条件はあらかじめ細かく決められています。例えば、このような条件です。
- 座面が自分で取り外せる椅子か。
- 座面の大きさは規定サイズ内か。
- 革に縫い目がないものか。
- 座面の土台のつくりが特殊な形ではないか。
- 革の張り方は、裏から針でとめてあるだけか。
いくら安く提示されている料金でも、店舗が指定している条件に当てはまらないと追加料金が発生したり、座面のみ依頼する張替えサービス自体に対応できないことがあります。
もし、「座面のみ張替えを依頼したいなぁ」と思ったら、次に店舗ごとの対応条件を確認しておくと、スムーズに依頼先を決められますよ。
プロの張替え料金は、「材料費+加工費+送料」で計算される
張替え料金は、材料費・加工費・送料で計算するのが基本です。それぞれの料金についての解説と、費用を抑えるポイントをご紹介します。
材料費
材料費は、張替えに使う生地の費用です。張替えに使える素材なら、店舗へ持ち込んで依頼することも可能です。
合皮の場合、気に入った革があればネット通販で購入できますが、本革はデリケートな素材のため、自分ひとりで探さずに、張替え先の店舗と一緒に探すようにしましょう。
張替え依頼先にある在庫生地から選ぶと、生地代が無料になることも。
加工費
自分で張替えたときと違い、プロが張替える技術は美しい仕上がりです。椅子の形・数量・使う素材によって、張替え料金の加工費がかかります。
加工費は、まれに施工費と呼ばれることがありますが、どちらも同じ意味合いです。
椅子の張替えを複数依頼すると、数が多い分、値引きができる店舗もあります。
送料
送料は、椅子を張替え先の店舗へ送る料金と、出来上がった椅子を自宅まで届けてもらうための料金です。
店舗によっては「無料配送エリア」が決められていることがあります。依頼予定の店舗が候補として複数ある場合、送料について事前に確認しておくと、お得に依頼できるかもしれませんね。
自宅からなるべく近い店舗を選んだり、直接店舗まで持ち込むと、送料を抑えることができます。
依頼が多い革のダイニングチェア。椅子の構造で張替え料金が違う
一言にダイニングチェアといっても、店舗へ依頼すると、椅子のつくりで張替え料金が異なります。
こちらでは、価格が安い順にご紹介します。一度、自宅にある椅子を確認してみましょう。
- 取り外し可能な座面のみの椅子(座面)
- 取り外しができない座面のみの椅子(座面)
- 背もたれ付きの椅子(背もたれ・座面)
- 背もたれ・肘置き付きの椅子(背もたれ・座面・肘置き)
椅子の張替えは、「座面のみ」「背もたれ付き」「背もたれと肘置き付き」とで3つの構造に分けられますが、座面の取り外しが可能かどうかで、さらに料金が分かれるんですね。
座面のつくりでも張替え料金が違う!自宅の革張り椅子をチェック
さらに、先ほどご紹介した椅子自体の構造だけでなく、座面のつくりでも張替え料金が細かく分けられています。
縫い目のあり・なしで料金が変わる。
多くの椅子の座面は、「タッカー」と呼ばれるホッチキスに似た道具で、1枚の革を裏でとめてあるだけのつくりです。
なかには、座面の高さを出すために側面がミシンで縫われていたり、角にあたる部分は「パイピング」といって、革を折り込んで縫っている場合もあります。
椅子の座面は、縫われた箇所が多い分、料金は上がります。あなたの自宅にある椅子には、座面の革がミシンで縫われた箇所がありませんか?
ウレタンは厚みで料金が変わる。
張替えの際、座面のクッション材として使われるウレタンは、状態によっては新しいものと交換する必要があります。ウレタンは厚みによって料金が異なり、厚くなるほど価格が高くなる素材です。
張替えるタイミングで座り心地も変えられるので、費用を抑えたい場合はウレタンの厚さや種類を改めて検討するといいでしょう。
椅子の座面が大きいと、革の張替えで追加料金がかかる場合も
座面のサイズが大きいと、追加料金がかかる可能性があります。面積が広い分、張替え作業が難しいのかもしれませんね。
サイズは店舗ごとに異なりますが、ほとんどの店舗で座面の幅が45cm以上で追加料金が必要と決められているようです。
特に気をつけたいのが、ダイニングチェアに多い、回転椅子です。くるくると回る椅子を、あなたの自宅でも使っていませんか?
回転椅子は通常の椅子と違って、座面が大きく作られていることがほとんど。あらかじめ座面のサイズを測っておけば、あとから追加料金が発生して、焦ってしまうこともありませんよ。
プロへ依頼すれば張替えだけでなく、椅子の補修もできる
費用を抑えるため、自分で張替えるのもいい方法ですが、張替えをプロへ依頼することで、椅子本体の気になる部分を補修することができますよ。腕のいい職人がいる店舗だと、修理ができることもありますよ。
革張り椅子に多い「木製のフレーム」椅子をお持ちの方は、使用中に木が欠けてしまったり、今使っている机に合うように、椅子の高さを調整したいなぁ。と、思っていませんか?
補修や修理もお願いする場合、張替えとは別に料金が必要ですが、このまま椅子を使い続けるよりも、張替えと一緒に補修するほうが愛着もわいて、おすすめですよ。
今まで使ってきた椅子を補修して、また新しい気分で、革張りの椅子を大切に使い続けていきましょう。
まとめ
革張り椅子の張替え料金は、張替え方法と椅子のつくりで料金が決められていくんですね。一見難しそうに感じますが、張替え料金の仕組みを理解すれば、もう修理店選びに困ることもありませんよ。
一見、安く感じるDIY張替えは、初めに道具を買い揃える必要があるので、長期的に考えた場合、張替え料金が安くなる方法です。
そのため、「とりあえず今ある椅子を張替えたい!」という場合は、プロへ依頼したほうが、料金が安く済む場合があります。
革の張替えが必要になったとき、まず店舗を選ぶのではなく、今後の張替えはどうするのか?という点も含めて、張替え方法から検討してみてくださいね。