気に入っていた革製のソファにボールペンの汚れがついてしまったら、とてもショックですよね。しかも、ボールペンの汚れは付くのは簡単でも落とすのはなかなか大変です。
そこで、今回は自宅でもできる革製ソファについたボールペンの汚れを落とす方法を紹介していきます。
ソファの革の種類によってボールペンの汚れを落とす方法は違う
一般的に革製と言われているものには、『合皮』と『本革』のどちらかが使われています。風合いが似ているため、どちらを使っているか知らない、という方もいるのではないでしょうか。
普段使っているときは合皮製か本革製かを知らなくても問題ありませんが、汚れを落とすときにはそうはいきません。風合いこそ似ていますが、合皮と本革の手入れの方法は全く違います。
間違った方法で汚れを落とそうとすると、逆に革を痛めてしまう可能性も出てきてしまいます。汚れを落として綺麗な状態で長くソファを使おうと考えていたのに、ソファの寿命を縮めてしまっては元も子もありません。
お手入れをする前に、しっかりと革の種類を確認するようにしましょう。次からは、合皮と本革それぞれの特徴と見分け方について紹介していきます。使っているソファを見分ける参考にしてみてください。
合皮の特徴
合皮とは、繊維素材に合成樹脂などを添付して風合いを本革に似せて作った素材のことです。合成皮革と呼ばれることもあります。
合成樹脂にはビニールやプラスチックの原料であるポリ塩化ビニールやポリウレタン樹脂などが多く使われているため、水を通しにくく、汚れに強い特徴があります。
汚れにくく、本革より手入れが簡単なこともあり、手軽さから人気のある素材です。また、本革のような高級感がありながら人工物ということで本革よりも安い値段で購入できるというのも合皮の魅力でしょう。
しかし、合皮には劣化によって表面の合成樹脂が剥がれてきてしまうというデメリットがあります。これは使用頻度に関わらず起こってしまうので、合成樹脂が剥がれた場合は張り替えなどの対策が必要になります。
本革の特徴
本革とは、本物の動物の皮を加工して作った素材のことを言います。天然皮革と呼ばれることもあります。
耐久性が高く、合皮製のソファの寿命が5~7年程であるのに対して、本革製のソファであれば10年以上使い続けることも可能です。
また、長く使い続けることで革に独特の深い味わいが生まれるため、長く楽しむことが出来るという特徴があります。
しかし、本革は天然の素材ということもあり、値段はかなり高いです。加えて、合皮よりも頻繁な手入れが必要になるので美しい状態を維持するのが大変というデメリットもあります。
合皮製ソファと本革製ソファの見分け方
風合いこそ似ている合皮と本革ですが、見分けるポイントさえ分かれば簡単に見分けることができます。
今回は、合皮と本革を見分けるポイントを2つ紹介していきます。
指で押してみる
本革は柔らかいため、指で押してみると指が沈み、沈んだ周りの生地に細かくシワが寄ります。
対する合皮は、指で押してみるとへこむだけで、生地にシワが寄ることはありません。
家具売り場などで合皮と本革それぞれのソファを指で押して比べてみると、違いがより分かりやすくなるでしょう。
匂いをかぐ
本革は本物の動物の皮を加工してつくっているため、鼻を近づけてかいでみると革独特の匂いがします。
対する合皮は、合成樹脂がビニールやプラスチックと同じ原料で作られているので石油のような匂いがします。
革独特の匂いが分からない場合は、石油に似た匂いがするかどうかで判断するといいでしょう。
革から綺麗にボールペンの汚れを落とすために大切なこと
革から綺麗にボールペンの汚れを落とすためには、ボールペンの汚れが付いたらすぐに対処することがなにより大切です。
これは他の汚れにも同じことが言えますが、汚れは付着してから時間が経てば経つほど落ちにくくなってしまいます。
汚れを落とすための労力が増えるのはもちろん、最悪の場合ボールペンの色が落ちずにそのまま残ってしまうこともあります。汚れがついてしまった場合は決して放置せずに、すぐに対処するようにしましょう。
次からは、合皮製ソファと本革製ソファそれぞれのボールペンの汚れを落とす方法について紹介していきます。
ボールペンの汚れを落とす方法:合皮製ソファの場合
合皮製ソファにボールペンの汚れが付着してしまった場合の汚れの落とし方を3つ紹介します。
こちらの方法はボールペン以外の汚れにも効果があるので、ソファが汚れてしまったときにも是非活用してみてください。
ソファによっては以下の方法を使うとソファの色が落ちてしまう可能性があります。
以下の方法を試す前に、まずソファの目立たない部分でソファ本来の色が落ちないことを確認してから行うようにしましょう。
エタノールを使う方法
合皮製ソファの汚れには、ドラッグストアやネットでも簡単に手に入るエタノールが有効です。エタノールは水性、油性の汚れどちらにも効果があるので、ボールペンの種類に関係なく使うことが出来ます。
使い方も簡単で、エタノールを含ませた柔らかい布で汚れの部分をさっとなでるように拭き取るだけです。
拭き取るときは、くれぐれも強く擦らないようにだけ注意してください。摩擦によって革が痛んでしまう可能性があります。
洗濯用洗剤を使う方法
エタノールを使っても落ちない汚れには、洗濯用洗剤を使ってみましょう。
- ぬるま湯に洗濯用洗剤を溶かして洗剤水を作る
- 汚れの周りを柔らかい布で乾拭きして綺麗にする
- キッチンペーパーに洗剤水を含ませ、汚れの上に張り付ける
- 張り付けたキッチンペーパーの上からラップをかぶせ、密閉する
- 時間が経ったらキッチンペーパーとラップを外し、柔らかい布で乾拭きする
放置する時間は、半日を目安にしてください。半日以上放置すると、水分がソファに染み込んでしまい革を痛めてしまう可能性があります。
また、最後に乾拭きをするときにはソファの表面に洗剤や水分が残らないように気を付けましょう。
重曹を使う方法
洗濯用洗剤を使っても落ちない頑固な汚れには、重曹を使ってみるといいでしょう。
- 重曹をぬるま湯に溶かし、重曹水を作る
- 汚れの周りを柔らかい布で乾拭きして綺麗にする
- 重曹水を含ませた柔らかい布で汚れを拭く
- 水を固く絞った水拭きで重曹を拭き取る
- 乾拭きして表面の水分を拭き取る
重曹を使う場合も、ソファの表面に重曹や水分を残さないように注意しましょう。
ボールペンの汚れを落とす方法:本革製ソファの場合
本革は非常にデリケートな素材です。合皮と同じようにエタノールや洗剤を使ってしまうと、逆に革を痛めてしまいます。
本革の汚れを取り除くには、市販されている本革用クリーナーを使いましょう。本革用クリーナーなら、革を痛めることなく汚れを落とすことができます。
本革用クリーナーは、家具量販店やネットで購入することができます。ソファを購入したお店が近くにある方は、購入したお店に相談してみるのもいいでしょう。
クリーナーとの相性によってはソファ本来の色が落ちてしまう可能性があります。
初めて使う場合は、目立たない部分でソファの色が落ちないことを確認してから使用するようにしましょう。
ネットで買えるおススメ本革用クリーナー
ソファを購入したお店が近くになかったり、ネットでの購入を考えている方のために、おススメの本革用クリーナーを2つ紹介します。購入するときの参考にしてみてください。
こちらは、消しゴムタイプのクリーナーです。一般的な消しゴムと同じように、汚れを擦って落とします。使い方が簡単で分かりやすいのも、このクリーナーの嬉しいポイントです。
次はスティックタイプのクリーナーです。こちらは汚れを浮き上がらせて落とすタイプなので、汚れが付着してからの時間が短いほどより効果を発揮します。
ソファについたボールペンの汚れが酷い場合
大量にボールペンのインクをこぼしてしまったり、汚れが酷くなかなか綺麗にならない場合、自分だけで対処するには限界があります。
上記の方法を試しても綺麗にならない場合は、ソファのクリーニングサービスを依頼してみてはいかがでしょうか。
業者に依頼するのでその分お金は掛かってしまいますが、ボールペンの汚れだけでなく普段から蓄積されている皮脂などの汚れも綺麗にしてもらうことができます。
ソファクリーニングの相場金額
2人掛けソファー(合皮):10,000円〜18,000円
2人掛けソファー(本革):16,000円〜24,000円(出典:https://curama.jp/sofa-cleaning/)
ボールペン汚れから革製ソファを守る方法
ボールペン汚れをいちいち対処するのは手間ですし、インクの量や状況によってはインクの色が残ってしまう場合もあります。
小さな子供のいる家庭など、ソファが汚れることがある程度予想できる場合は前もって対策をしておくのもいいでしょう。
ソファにカバーをかける
ソファにカバーをかけることで、ソファ自体に汚れが付くのをある程度防ぐことが出来ます。
また、カバーであれば取り外して洗濯ができるので衛生面でも安心です。
暗い色のソファを選ぶ
白などの明るい色のソファを避け、黒などの暗い色のソファを使うことでそもそも汚れが目立ちにくくなります。
暗い色のソファであれば、ボールペンの汚れが完全に落ちなくてもあまり目立たないので気にならないでしょう。
綺麗な状態を維持できるか不安に感じている方には、特におススメの方法です。
まとめ
今回はソファにボールペンの汚れがついてしまったときの対処法と、対策について紹介してきました。いかがだったでしょうか。
ボールペンの汚れに限らず、ソファに汚れがついてしまったときは素早い対処をすることが何より重要となります。
汚れがついてしまった、もしくは汚れに気が付いたときはそのまま放置せずに素早く対処するようにしましょう。
素早く対処するように気を付けていても、落ちない汚れがついてしまうことはあります。どうしても汚れが落ちない場合は、ソファクリーニングに依頼する方法もあるので検討してみてはいかがでしょうか。