購入してしばらく経つと、ソファの表面に引っかき傷が増えていて…せっかくの革製ソファが、ちょっぴり見苦しい状態になっていませんか?
傷ができたらプロに頼む前に、まずは自分で補修してなるべく安くおさえたいですよね。今回は自分でできる引っかき傷の補修方法をご紹介します。
革製ソファの引っかき傷は元通りになる?
革製ソファの場合、残念ながら完全に元の状態には戻りません。ですが、目立たなくする程度までなら、自宅で補修することができます。
猫ちゃんがいるご家庭では特に多い引っかき傷。傷があるソファだと、自宅に人を呼ぶのもおっくうになってしまいますよね…。
「革製品のお手入れ」は面倒に思われがちですが、普段からこまめに手入れをすることで、革のソファを長く使えるようになります。
買い替えが必要になる前に、ソファに対して出来ることはたくさんあります!革製ソファをお持ちの方は、ぜひ参考にしてくださいね。
本革か合皮か?確認しよう
ソファの革が「本革」「合皮(ビニールレザー)」どちらかによって補修方法が異なります。
ソファのタグを見ても分からない場合、一番わかりやすいのが、革の断面を見る方法です。断面に厚い塗料が塗られている場合は合皮です。毛羽立った断面になっている場合は、本革です。
次に、においをかぐ方法です。本革の場合は必ず独特な革のにおいがします。合皮の場合は無臭だったり、まれにビニールのにおいがするときもあります。革製品を扱っている店舗でにおいをかいでみるといいでしょう。
それでもわからなければ、ソファを指先でギュッと押してみましょう。表面にハッキリと大きなシワができた場合は、本革です。表面にシワが出ず、ソファがへこむだけの場合は合皮となります。
「浅い引っかき傷」革製ソファの補修方法
浅い引っかき傷の場合、簡単な方法ですぐに補修することができます。本革か合皮かで対処方法が異なりますので、革の種類ごとに2つに分けてご紹介します。
本革
爪で軽く引っ掻いたような浅い傷なら、革の表面が毛羽立っている状態。馬毛ブラシで表面を整えると傷はうまくなじんでくれます。指でこすって手の油を利用する方法もあります。
革用オイルを付けて傷をなじませると、一部だけ色が濃くなってしまうことも。おすすめは、ソファ全体のメンテナンスをすること。保湿クリームをつければ傷も馴染みますし、色ムラを気にすることもありません。
合皮
合皮は、作られた瞬間から劣化していく人工的な革です。そのため、補修はあきらめるか、気になる場合は着色して目立たなくする方法があります。
補修クリームは絵の具のように色がついています。複数の色を使って、まずは手持ちのソファと色を合わせます。その後、ソファの傷に色をつければ、あまり目立たなくなります。
クレヨンタイプの補修材は洋服に色移りします。ソファには使わないほうがいいでしょう。
「深い引っかき傷」革製ソファの補修方法
深い引っかき傷の場合、自分でできるのは、プロの方にお願いするまでの一時的な補修です。こちらも、本革か合皮かで対処方法が異なりますので、それぞれ2つに分けてご紹介します。
本革
本革の場合、無理は禁物です。自分で対処すると、状態が悪化する恐れがあります。レザーメンテナンスのプロにお任せするのが一番です。
あくまで一時的なものですが応急処置としてご紹介するなら、革がえぐれてしまい、ソファに対して色が目立った部分を補修クリームで上から染めましょう。この方法なら、自分でも補修が可能です。
合皮
補修する場所によって方法が異なります。ソファの座面のように「力が加わりやすい場所」は強度が必要です。上から合皮ソファ用の補修シートを貼るといいでしょう。シールタイプなら、簡単に補修することができますよ。
一方で、ソファの側面のように「ほとんど力が加わらない場所」なら強度は必要ありません。深い傷用のクリームで表面の凹凸を埋め、その後、補修クリームで色を付ける方法で補修できます。
革製ソファは事前に引っかき傷のダメージを減らせる!
皆さんは、冬に乾燥しないようハンドクリームを塗ったりしませんか?人間の乾燥肌が傷つきやすいのと一緒で、革のソファも乾燥していると傷がつきやすい状態になるんです。
日頃から定期的なメンテナンスを行っていれば、ソファの革は潤います。保湿することで革自体に弾力がでて、傷がつきにくくなりますよ。
日常使いの場面だと洋服の金具がソファに当たってしまったり、思いがけず爪で引っ掻いてしまっても、傷を最小限にすることができるんですね!
メンテナンスは春夏秋冬シーズンごとに年4回、最低でも年に2回行うのが理想です。
ソファの引っかき傷だけ、部分的な革の張替えは不可能
「ソファの傷が酷くて、自分ではなかなか対処できない。でも買い替えるのは…」という方は、ソファの革を張り替えられるかもしれません。
しかし、革のソファはワッペンのように一部だけ革を縫い付けることは絶対にできません。なぜなら、革には布のように繊維がないので、補修したとしても縫い目から破れる可能性が非常に高いためです。
パーツごとに分解できるソファなら、クッション1つだけを張り替えて価格を抑えることは可能です。その反面、既に使い込んでいる周りのパーツとは色が合わないというデメリットがあります。
ソファの状態によっては、買い替えが必要かも?
革の状態によっては、買い替えが必要な場合があります。革製ソファの使用年数は合皮・本革でそれぞれ異なりますので、革の種類ごとに2つに分けてご紹介します。
合皮の場合
合皮は表面がボロボロしたり、ひび割れができると寿命です。5年程度が目安と言われています。
そうなってくると、自分の力で補修するのは難しいでしょう。プロに修理をお願いするか、新しいソファが必要です。
本革の場合
本革は、表面にひび割れが出てくると寿命です。基本的に10年以上は持ちますが、手入れの仕方で一生モノになる場合もあります。
買い替えが必要な合皮とは違い、本革だと革の張り替えができます。気になる張り替えの費用は平均で5~7万円ほど。それ以上になる場合もあります。新しく購入するほうが、価格が抑えられるかもしれません。
本革は、種類によって傷の入りやすさが違う
一枚革には銀面(ぎんめん)、床面(とこめん)と呼び名があり、オモテ面にあたる「銀面」をそのまま使うか・削るかで革の呼び名が分かれます。
- 銀つき革(フルグレインレザー)
- 銀すり革
革の表面を生かして仕上げたものを「銀つき革(フルグレインレザー)」といいます。表面の塗装が薄く、素肌に近い状態のため、普段使いで傷が入りやすい革です。
革の表面を削って、仕上げたものを「銀すり革」といいます。革の表面を削った上から厚めに塗装されており、厚い塗装のおかげで傷が入りにくい革になっています。
引っかき傷が目立たない革製ソファも検討してみては
革製ソファのなかでも、引っかき傷が目立たないソファを選んでみませんか?こちらでは、新しいソファに最適な3種類をご紹介します。先ほどご紹介した革の種類とあわせて、ソファ選びの参考にしてくださいね。
明るい色の革製ソファ
明るい色は汚れが目立ちやすそう…と避けていませんか?白・ベージュ系のソファなら、引っかいた跡が分かりづらいんです。普段からこまめなメンテナンスが必要ですが、暗い色のソファよりも傷が目立たず使えますよ。
引っ掻き傷に強い革「風」ソファー
猫の引っかき傷が気になる方は、強度のある生地のソファがおすすめです。ただし素材は革「風」なので、どうしても革のソファを選びたい場合は、白・ベージュ系のソファを選ぶといいでしょう。
ヴィンテージ加工の革製ソファ
元々使い込んだ風合いで表面がクシャッとしています。傷がついても馴染みやすいソファです。ちょっとした傷でも気になる方や、革のソファはお手入れがちょっと面倒だな…という方にはおすすめです。
まとめ
本革の場合、浅い傷は簡単に対処できますが、傷が深くなると革の張り替えとなります。パーツが分かれているソファを選べば、張り替えの価格を抑えることができます。
合皮の場合は、革の寿命が5年と短期間なので、補修は気休め程度にして、次に新しく購入するソファを検討したほうがいいでしょう。
避けられないソファの引っかき傷は、なるべく最小限にしたいですよね。ポイントは、3か月に1回のメンテナンスで革が乾燥しないようにすることです。
革ソファにしか出せない、高級感のあるお部屋の雰囲気を楽しむためにも、日頃から手入れをして、長く使っていきましょう!