革張り椅子の修理が必要になったとき、まず見積もりを依頼するのではなく、自分に最適な修理方法がないか、一度考えてみませんか?
ただ、初めて革張りの椅子を修理するとなると、どんな事に気をつけるべきなのか、なかなか分からない事が多いですよね。
今回は初めて依頼した修理が失敗しないためにも、修理方法の種類や、依頼先の店舗の選び方について、ご紹介します!
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「修理」とは、問題を根本解決すること。
まずは、「修理」という言葉について、事前に知っておくと便利です。修理には、問題を根本解決するという意味があります。
革張りの椅子の場合、一時的に破れた箇所をふさいだり、傷を目立たなくするのは修理ではなく、「補修」にあたります。
革の種類には大きくわけて、合皮と本革の2種類ありますが、今回ご紹介する修理はどちらの革にも使える方法です。
さっそく、革張り椅子の修理について、詳しく確認してみましょう!
破れた革製の椅子は、「張り替え」で修理しよう!
革張り椅子の「修理」とは、どうするのかというと、革の張り替えをして対処します。
張り替えとは、破れた革を外して、新しい革と取り換える修理方法です。この方法なら、「革が破れた」という問題を根本的に解決できますね。
今まで補修をしてなんとか使ってきた椅子も、いずれ張り替える必要があります。もし、手持ちの椅子で張り替えを考えるときには、これからご紹介する椅子の種類に注意してくださいね。
革の張り替えが難しい椅子もある。修理を依頼する時は注意が必要
革張りの椅子のなかでも、張り替えが難しい椅子があります。店舗によっては張り替えが対応できない場合もあるので、手持ちの椅子が該当するか、事前にチェックしておきましょう。
本体がプラスチックの椅子
椅子の本体がプラスチック製の場合、張り替え作業を行うため本体から革を取り外すときに、プラスチックが割れてしまう可能性があります。
一方、プラスチックにネジで革を留めてあるタイプの椅子であれば、取り外しの際に割れる危険性は少なくなります。プラスチック製の椅子をお持ちの場合、革の取り付け方について、一度確認してみましょう。
マッサージチェア
マッサージチェアの場合、まずは張り替え前に椅子を分解する必要があります。革を張り替えた後、元の状態に組み立てますが、正しく動くかどうかは職人の腕次第です。
中に精密な機械が入っていて、張り替え後も動く保証はできないという理由で、マッサージチェアも、店舗によっては張り替えに対応していない場合があります。
椅子の修理費用を節約するには、自分で革を張り替えよう
張り替えの方法は、店舗へ依頼するだけではありません。自分で張り替えができれば、職人が張り替えるときの「加工費」や、「送料」が節約できますよ。
自分で張り替える場合、DIY張り替えという方法があります。事前に自分で必要な材料や道具を揃える必要がありますが、とにかく安く張り替えたいならおすすめです。
また、ネット通販では椅子の張り替えキットという商品も販売されています。必要なものは全てこのキットの中に含まれているので、手元に届いたらすぐに作業できるのがポイントです。
修理前に必見!椅子の張り替えと同時に、革の種類が変えられる
本革の椅子だからといって、必ず同じ本革に張り替えないといけない!という決まりはありません。合皮の方が革自体の価格が安いので、張り替えの費用が心配な方は、新しい革の種類を変えることも検討してみましょう。
合皮の特徴
合皮はビニールレザーとも呼ばれており、人工的につくられた革です。洗剤を使って表面を拭きあげることができるため、普段のお手入れが楽というメリットがあります。
デメリットとしては、合皮は扱いやすいぶん、革の寿命が製造から5年程度と短いことです。そのため、購入した後、張り替えの頻度が多くなるという点は、意外と見落としがちな部分になります。
汚れやすいダイニングチェアには、合皮の椅子がぴったりです。
本革の特徴
本革は、動物の革から作られていて、高級感を感じる素材です。合皮にはない経年変化を楽しむことができます。また、本革に寿命はありませんので、合皮よりも長く楽しむことができます。
デメリットとしては、合皮と比べて価格が高いこと。普段から、表面に汚れがつかないようにお手入れも必要なので、合皮よりも扱いが難しいのが特徴です。
ゆったりとリラックスして使いたいリクライニングチェアには、本革を使うといいでしょう。
修理と同時にクッションを選べば、革張り椅子の座り心地がアップ
補修をするとき、クッション材は忘れがちな部分です。椅子のクッション材として主に使われているのはウレタンですが、10年も使えないので、へたってきた場合は取り替えないといけません。
ウレタンには2種類あり、柔らかい「ウレタン」と、少し硬めの「チップウレタン」とがあります。
ウレタン
ウレタンは柔らかく、普段よく見かけるスポンジに近い素材です。今の椅子に座っておしりが痛くなるのなら、柔らかいウレタンを使って張り替えるのがおすすめ。座り心地が優しくなります。
柔らかいクッションが好きだけど、ある程度の硬さが欲しいという方は、次にご紹介する硬めのクッション材と一緒に使ってくださいね。
チップウレタン
チップウレタンは、細かくしたウレタンがぎゅっと固まった素材です。圧縮して作られている分、座り心地も固めになっています。
単独で使うには、椅子のクッション材として固すぎますので、基本的には柔らかいウレタンと組み合わせて使って、座り心地を調節します。
信頼できる修理店選びには、職人をチェックするのがポイント
自宅から近い修理店を探してみると、思ったよりも多く店舗が見つかると思います。高級な革張りの椅子をお任せするなら、安心できる店舗に修理を依頼したいですよね。
まず選び方の1つ目として、「依頼内容によって選ぶ」という方法があります。例えば、修理する箇所が革の張り替えだけでなく、椅子のフレームも補修したい場合には、特に注目したいポイントです。
本来、張り替えとフレームの修理は、それぞれ職人の仕事が異なる補修内容になります。どちらも対応できるといっても、本格的な技術を持っている職人は数が少ないのが現状です。
そこで、選び方の2つ目として、「職人を詳しく紹介している店舗」を探して選んでみましょう。親切な店舗だと、ホームページ上に職人の技術のレベルや、検定試験の賞状を掲載していることもありますよ。
全ての店舗で見積もりを出して費用を確認してみよう
革張り椅子の修理費用は、決して安い出費ではありません。だからこそ、一度見積もりをしてどのくらい費用がかかるのか、早い段階で把握しておくと安心ですね。
修理店のほとんどが、無料の見積もりを行っています。候補として複数の店舗があれば、全ての店舗で見積もりを依頼するべきです。
なぜかというと、店舗ごとに価格の出し方が異なる場合が多いからです。少し手間に思うかもしれませんが、必ず見積書の明細まで見てから、修理店を選ぶようにしましょう。
革張りの椅子は、修理が必要になる前のお手入れが大切
革張りの椅子のなかでも本革の場合、長く使えば使うほど、経年変化を楽しめるのが嬉しい点です。
何年もかけて、表面にツヤ・色の変化が出ますが、革に傷ができて張り替えてしまうと、それまで使っていた革は全てはがされてしまいます。正直、もったいないですよね。
革に合ったお手入れ方法を定期的に行うことで、どんどん椅子に味わいがでてきますし、修理が要らない分、修理費用を抑えることができますよ!
本革は加工の種類によって、お手入れ方法は様々です。購入した店舗に確認して、正しいお手入れ方法で革張りの椅子を長く大切に使っていきたいですね。
まとめ
皆さんの手元にある革張り椅子を、改めて見てみましょう。破損状態がひどい場合、補修ではなく、新しい革に張り替える「修理」を行います。
椅子の種類によっては張り替えが難しい店舗もあります。あらかじめ対応できる店舗を確認したうえで、修理店を選びましょう。
張り替えのタイミングで革の種類を変更したり、新しくクッション材を選ぶことも可能です。今までとは新しい素材を使って、座り心地にこだわった椅子のカスタマイズにも挑戦するのもいいですね。
修理店の選び方は、修理を担当している職人をどれだけ詳しく紹介しているのかがポイント。安心できる店舗を探して、張り替えによるトラブルや失敗は未然に防ぎましょう!