「観葉植物を育てているけど、夏の暑い季節に冷房はつけても問題はないの?」
「冷房をつけている時、観葉植物を育てる注意点やコツは何かあるの?」
上記のような悩みを抱えている方で観葉植物を大切に育てているからこそ、冷房による観葉植物の影響は知っておきたいですよね。
この記事では、観葉植物に冷房を当ててはいけない理由や冷房をつけながらでも育てるコツを紹介します。冷房に強い観葉植物も紹介するので、是非最後までご覧ください。
(「出典:https://pixabay.com/photos/space-empty-wooden-floor-plant-3197611/」)
観葉植物に冷房を当ててはいけない理由
観葉植物とは、基本的に高温多湿な環境で良く育つものが多いです。そのため、観葉植物は寒さや風によって引き起こされる、低温で乾燥した部屋では育ちにくいです。
さらに観葉植物に冷房の風を当ててしまうと、下記3つの影響が観葉植物に現れます。
- 乾燥
- 急激な温度変化による不調
- 害虫がつく
上記の3つの影響について、下の段落からそれぞれ詳しく解説をします。
乾燥
冷房の風を観葉植物に当ててしまうと、葉の表面が乾燥するだけではなく水分を蒸散(水が水蒸気として植物本体から大気へ拡散する現象)させる働きが強くなります。
葉が乾燥していると、植物内部の水分も蒸散されてしまい、観葉植物が枯れる原因になるので気を付けましょう。
急激な温度変化による不調
観葉植物は低温で乾燥した環境を好み、環境の急激な変化に対応することが出来ない為、冷房をつけたことによって、室内の温度・湿度が急激に低下するとストレスを受けます。
植物本来の機能が正常に働かなくなり、調子が悪くなることも。例えば水を与えても上手く吸い上げてくれなかったり、萎れたままになったりといったような症状が現れ、枯れる原因に。
害虫がつく
冷房をつけると葉が乾燥し、害虫がつきやすくなります。特にハダニヤカイガラムシのような害虫がつきやすくなります。
害虫が観葉植物に湧く原因はいくつかありますが、葉が乾燥するとその葉を餌にしている害虫が湧いてくるのが一般的です。害虫は葉の裏側にくっついて、葉の養分を吸いながら増殖していきます。
対策としては、植物用の殺虫剤を吹きかけ、葉を一枚一枚チェックして害虫を落としていく作業が必要です。放置してしまうと、葉が徐々に枯れていってしまいます。
観葉植物は冷房がある部屋でも育てることが出来る
では、冷房をつけている部屋では観葉植物を育てることが出来ないのかというと、実は冷房がある部屋でも育てることが可能です。
冷房をつけていても、適度な風であれば観葉植物の生長にも良いですし、水の吸い上げ量も増加します。注意すべきなのは、直接風が当たる場所に観葉植物を置かないことです。
適度な風と葉に適度な光量を与えることで、普段以上の生長が出来ます。次の段落では、冷房をつけながら観葉植物を育てるコツを紹介します。
冷房をつけながら観葉植物を育てるコツ
冷房をつけながら観葉植物を育てるコツは、葉が揺れない程度の微風を観葉植物に与えることです。
風速では、1.0m/s~2.0m/sくらいです。風速が2.0m/s以上になってしまうと葉が乾燥してしまい観葉植物はストレスを感じてしまいます。冷房の設定だと「微弱」という設定にしましょう。
冷房のある部屋に観葉植物を置くのは問題ないですが、微風が当たる程度の場所に置くようにしましょう。
この後、紹介しますが冷房に強い観葉植物を選んだり、注意深く観葉植物の様子をチェックしたりして対策をしましょう。
冷房がある部屋に置く観葉植物の選び方
前述をしたように、冷房がある部屋に観葉植物を置くことによって、観葉植物の生長が促されます。ですが、強めの風を当ててはいけないことを説明しました。
上記を踏まえたうえでこの段落では、冷房がある部屋に置く観葉植物の選び方について紹介をします。
冷房がある部屋に置く観葉植物を選ぶ為に、3つのポイントを押さえましょう。
- 乾燥に強い植物を選ぶ
- 葉の面積が小さい植物を選ぶ
- 幹が太くしっかりとした植物を選ぶ
冷房がある部屋に置く観葉植物を選ぶ、3つのポイントについてそれぞれ詳しく解説します。
乾燥に強い植物を選ぶ
冷房がついている部屋は、普段の部屋に比べ室温・湿度が低くなります。特に湿度が下がることによって葉の表面の水分量が通常よりも速く無くなり、観葉植物全体の水の乾くスピードが速くなります。
冷房をつけていない日は4~5日ほどで乾いていた観葉植物が、冷房をつけることによって2~3日で乾いてしまうことも。
観葉植物を長く育てている方であれば、要領よく植物の状態を把握して水を与えることができるかもしれませんが、慣れていないという方は乾燥に強い観葉植物を選びましょう。
葉の面積が小さい植物を選ぶ
乾燥に強い観葉植物に加えて、葉の面積が小さい植物を選びましょう。観葉植物は葉から水分を蒸散して、植物本体の水分量も同時に調節しています。
なので、葉の面積が大きいもので冷房がついていると蒸散する量も多くなり、育てるのも大変に。
葉の大きい観葉植物よりも葉の小さい観葉植物を選ぶことで、蒸散の量も少なくまた冷房から受ける風の量も少なくなります。
幹が太くしっかりとした植物を選ぶ
部屋が狭く、観葉植物にどうしても冷房の風が当たってしまうという方は、観葉植物の幹が太くしっかりとした樹形(樹木の全体的な外観)をしているものを選びましょう。
幹が太くしっかりとした観葉植物は、乾燥に強く水が切れてしまっても植物内部に水を保ってくれるのですぐに枯れてしまう心配はありません。
またストレス耐性も幹が細いものに比べて強いので、冷房の風が当たって観葉植物にストレスを与えてしまう環境で育てている方におすすめです。
冷房に強い観葉植物 ① ガジュマル
冷房がある部屋での観葉植物の育て方と選び方について紹介をしました。この段落では、冷房に強い観葉植物の”ガジュマル”について紹介をします。
ガジュマルは幹が太く葉も小さい観葉植物なので、冷房にも乾燥にも強いです。初心者の方や冷房がついている部屋で、観葉植物を育てたいという方におすすめ。
幹の形が独特なのが特徴ですが、小さい観葉植物として部屋をおしゃれにしたいという方は、育てるべき観葉植物のひとつです。
冷房に強い観葉植物 ② ユッカ・エレファンティペス
2つ目に紹介をする冷房に強い観葉植物は”ユッカ・エレファンティペス”です。この観葉植物は別名「青年の木」とも呼ばれていて、幹が太く象の足に似ていることからエレファントという名前がついています。
幹が太く乾燥にも強いため、冷房がある部屋でも育てやすい観葉植物です。水やりは1~2週間に1回で問題ないですが、冷房の風が当たる場合は1,2回水やりの頻度を増やしましょう。
水やりをする頻度が低い観葉植物の代表的なひとつなので、忙しくて観葉植物をこまめにチェックが出来ないという方におすすめです。
冷房がある部屋で観葉植物を置いてはいけない場所
冷房がある部屋では、以下のような場所に観葉植物を置かないようにしましょう。
- 冷房の真下・真正面
- 冷房の風が直接当たる場所
冷房からの距離が近く、風を強く受ける場所に置くと観葉植物にとってストレスになります。加えて葉に風が当たり、普段以上に蒸散する量が多くなります。
冷房の真下・正面
冷房の真下と正面は風が直接当たる場所です。観葉植物の葉が揺れない程度の風であれば、冷房の真下・正面においても問題はありません。
ですが、葉が揺れるような距離感であればストレスになり生長を妨げ、観葉植物が枯れる原因にもなるので注意をしましょう。
強い風を観葉植物に当ててしまう環境で飼育をしている方は、当てる時間を短くしてなるべく観葉植物が乾燥しないように手入れをしましょう。
冷房の風が直接当たる場所
部屋のレイアウトや育てる環境によって異なりますが、冷房の風が直接観葉植物に当たってしまう場合があります。
そのような場合でも、生長に大きく影響をしてしまいます。特に大きなサイズの観葉植物は背丈や葉が大きいことがあるので、冷房の風が当たりやすいです。
大きいサイズの観葉植物を冷房のある部屋に置く場合は、置き場所や距離感を考えて育てるようにしましょう。
観葉植物が冷房の風に当たってしまう場合の対策
乾燥に強い観葉植物を選んでも、観葉植物が冷房の風に当たってしまうという場合は3つの対策があります。
- 風よけをつける
- 風速を微弱にする
- 水やり・葉水を駆使する
風を直接当てないような工夫をして、観葉植物を冷房の風から守るようにするのが効果的です。
風よけをつける
簡単に設置することが出来、長期的な対策が行えるのが風よけをつけることです。
風よけは設置するのが難しそうだと考えてしまいますが、両面テープで設置することが出来る風よけがあります。
風が強い状態でも風よけをつけて角度が調整できるものを購入することで、観葉植物にとってもストレスがない状態で生長が出来ます。
下記のリンクで紹介しているものは、両面テープで設置が出来、角度調節機能付き。また、結露を防止してくれる風よけです。
風速を微弱にする
風よけを設置することが出来ないという方は、風速を「微弱」にして調節をしましょう。
風速を「強」や「弱」の設定だと、観葉植物の葉が揺れてしまう強さです。設定を「微風」にしておけば最低限の風で部屋を涼しくしながら観葉植物を飼育することができます。
また、風よけをつけている方でも風よけをすり抜けて観葉植物に当たってしまう場合も考えられるので、風よけをつけている方も設定は「微風」がおすすめです。
水やり・葉水を駆使する
最後に出来る対策として挙げられるのが、水やりと葉水を駆使することです。
土が乾いているようであれば水やりをして、冷房の風が観葉植物に強く当たりすぎてしまったと感じるようであれば、葉水をして湿度をキープしましょう。
葉水を行うことで湿度やツヤを保つことも出来ますし、害虫予防にもなります。害虫用のスプレーを使わずとも害虫予防が出来るのでおすすめです。
葉水の正しいやり方についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
冷房対策をしているのに観葉植物が弱ってしまう理由
温度や湿度を気にしながら観葉植物を育てているのに、弱ってしまったり枯れてしまったりする観葉植物があります。
その原因の一つは、鉢にあるかもしれません。観葉植物も生長をする生き物なので根や葉も増えて大きくなります。冷房対策をしているのに、調子が悪い時は鉢を一度見てみましょう。
対策として、一回り大きな鉢に植え替えをするのがおすすめです。もし、大きな鉢に植え替えをしたくないという方は、植え替えや枝切りを秋のシーズンにしましょう。
生長が夏よりも緩やかになっているので、枝を剪定(せんてい)して根と葉の量を鉢の適切な量に調整するのがおすすめです。
まとめ:観葉植物を育てる際は冷房が直接当たらない場所に置く
本記事では冷房がついている部屋でも、観葉植物を育てるコツや注意点について紹介をしました。
- 観葉植物は高温多湿な環境を好むので冷房がついている部屋は苦手
- 観葉植物は適切な風の量を与えることで生長を促すことが出来る
- 置く場所に気を付けて1.0m/s~2.0m/sの風を葉に当てるように冷房をつける
今まで、観葉植物の為に暑い日でも冷房をつけずに我慢をしていた方は、本記事を参考にして観葉植物の置く場所に気を付けつつ、冷房をつけながら育てる方法を実践をしてみてください。
まずは、観葉植物に冷房が当たりすぎていないかの簡単なチェックから始めてみてはいかがでしょうか。