花を使って心身を癒やす「フラワーセラピー」。深刻なストレス社会である現代において、注目を集めている心理療法の1つです。
そんなフラワセラピーに興味を持っているあなたは、「どんな効果があるんだろう?」「自分でもできるのかな?」と気になっているのではないでしょうか。
そこで今回は、花が人に与える効果や自宅で取り組めるフラワーセラピーの方法を解説します。花に興味がある人や癒やしを欲している人は、ぜひ参考にしてみてください。
花から癒やしを得る「フラワーセラピー」とは?
フラワーセラピーとは、花を用いて心身のバランスを整える心理療法です。1989年、心理カウンセラーの芙和せら(ふわせら)さんが、「花の芸術療法」として始めたのが原点です。
フラワーセラピーを語る上で欠かせないのが「花の心理効果」です。花は「色彩」「香り」「花姿」の3つの側面から、人の心に様々な影響を与えており、その作用を花の心理効果と言います。
あなたも花を見て元気をもらったり、花の香りを嗅いでスッキリしたりと、何かしらの効果を感じたことがあるのではないでしょうか。このように、花との触れ合いから癒やしを得るのがフラワーセラピーなのです。
様々な現場で活用されているフラワーセラピー
何かきっかけがない限り、日常生活の中でフラワーセラピーを意識することはないでしょう。しかし、私たちが気づいていないだけであって、花を使ったセラピーは様々な現場で活用されているのです。
例えば、医療機関ではストレスや疲労の緩和、話しやすい雰囲気の演出などを目的にフラワーセラピーが取り入れられています。病院によく花が飾られているのは、上記のような効果を期待できるからです。
また、介護施設ではメンタルケアやリハビリの1つとして、児童福祉施設では豊かな心を育むためにフラワーセラピーが取り入れられることもあります。
紹介したように、花が重要な機関で活用されているのは、それだけ人に与える影響が大きいからでしょう。次の章では、フラワーセラピーに期待できる効果について詳しく解説します。
フラワーセラピーに期待できる効果について
フラワーセラピーに期待できる効果として、まず挙げられるのがリラックス効果です。花はストレス時に高まる交感神経の活動を抑え、リラックス時に高まる副交感神経の活動を活性化させることがわかっています。
他にも花の色による色彩心理や香りによるアロマテラピーの側面から、集中力の向上や鎮静効果なども期待できます。なお、花の種類によって得られる効果は異なるので、目的に応じて使い分けるのがポイントです。
また、花を飾り付けるフラワーアレンジメントには、認知機能やコミュニケーション力の改善効果があると報告されています。上記はあくまで一部ですが、フラワーセラピーには様々な効果が期待できるのです。
簡単!自宅で取り組めるフラワーセラピーの方法3選
ここからは、自宅で取り組めるフラワーセラピーの方法を紹介していきます。本記事で紹介する方法は以下の3つです。
- 自分の部屋に花を飾る
- 自分の手で花を育てる
- 花の精油で香りを楽しむ
フラワーセラピーの存在を知ったとき、「素人でもできるのかな…」と不安になった人も多いでしょう。確かにセラピー効果を高めるには専門知識が必要ですが、花の癒やし効果を得ることは誰にでもできます。
以下では、紹介した3つの方法について詳しく解説しているので、自分に合ったやり方でフラワーセラピーを試してみましょう。
フラワーセラピーの方法①自分の部屋に花を飾る
自分の部屋は、1日の中でも長い時間を過ごす場所であり、最も心が落ち着く空間です。そこに癒やし効果のある花を飾れば、よりリラックスすることができ、溜まっているストレスや疲労を軽減できます。
なお、フラワーセラピーでは生花を活用するのが基本です。フレッシュな花からは生命力を感じられ、香りによるリラックス効果も得られるので、造花やドライフラワーよりも活力が湧きやすいと言えます。
また、花を育てることにも癒やし効果があるので、基本的には生花を飾るのがおすすめです。
以下の記事では、誰でも手軽に花を生活に取り入れられる「花のサブスク」について紹介していますので、ぜひ併せて読んでみてください。
フラワーセラピーの方法②自分の手で花を育てる
先程も軽く触れましたが、花を育てること自体にも癒やし効果があります。というのは、「花を育てる時間=無心になれる時間」をつくることで、気持ちをリセットできるからです。
また、花を育てる行為から誰かの役に立っているという充実感を、そして植物が成長していく姿から大きな達成感を得られます。その満足感が心を穏やかにしてくれるのです。
さらに植物に直接触れることで、その感触から癒やしを感じたり、命の尊さを理解して優しい気持ちが芽生えたりします。ぜひこの機会に花を取り入れて、自分の手で育ててみると良いでしょう。
フラワーセラピーの方法③花の精油で香りを楽しむ
フラワーセラピーに興味はあるものの、「花を育てる時間がない…」「手入れが面倒…」という人も多いでしょう。そんな人におすすめしたいのが、花の精油を使ったアロマテラピーです。
花の精油の香りにはリラックス効果があり、ストレス・不安・抑うつなどを緩和することができます。アロマディフューザーを利用したり、お風呂に数滴垂らしたりすれば、じっくり花の良い香りを楽しめるでしょう。
なお、花の種類によって香りが異なり、得られる効果にも違いがあります。ですので、精油を選ぶときは、効果にも注目しながら好きな香りを選ぶようにしましょう。
妊娠中の方や小さな子供にとって、精油の香りは負担になるケースがあります。基本的に長時間の使用は避け、少しでも不快に感じたら使うのをやめるようにしてください。
もし「精油の香りが強すぎる」と感じる場合は、生花を飾ってフレッシュな香りを楽しむと良いでしょう。
フラワーセラピーを行うときに意識すべきポイント
フラワーセラピーを行うときは、心身の状態に合わせて花の種類を使い分けるのがポイントです。その時々の状態に合わせて花を選ぶことで、不調を早く改善したり、より良い状態に導いたりする効果を期待できます。
例えば、ストレスが溜まっている人はリラックス効果が高い「ラベンダー」を、やる気を出したいときは気分を高揚させる効果がある「バラ」を取り入れるの効果的です。
好みの花を取り入れるのも素敵なのですが、フラワーセラピーは“心身のバランスを整える心理療法”なので、ぜひ花の心理効果を意識して選んでみることをおすすめします。
あなたが求める色はどれ?花の色の効果について
フラワーセラピーでは、花の種類と同じくらいに「花の色」の使い分けが重要視されています。有名な心理療法として「カラーセラピー」というのものがありますが、それほど色が人に与える影響は大きいのです。
以下では、主要な色の効果を簡単にまとめているので、花を選ぶときの参考にしてみてください。
ピンク | 癒やし効果が高く、優しい気持ちになれる |
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赤 | 情熱やエネルギーを刺激し、やる気を起こさせてくれる |
青 | 自律神経のバランスを整え、心を落ち着かせてくれる |
白 | リフレッシュ効果があり、気持ちの切り替えがしやすくなる |
オレンジ | 陽気な印象が強く、勇気や決断力を与えてくれる |
黄 | 気分を明るくし、良いコミュニケーションをもたらしてくれる |
紫 | 高ぶった感情を落ち着かせ、集中力を高められる |
心身の状態を把握した上で花の色を選べば、より効果的なフラワーセラピーを期待できるでしょう。
まとめ:花は心身のバランスを整えるのに効果的
今回は、花を使った心理療法の「フラワーセラピー」について解説しました。改めてフラワーセラピーのポイントを簡単にまとめてみます。
- 花には「リラックス効果」をはじめとする様々な効果を期待できる
- 花の種類によって得られる効果が異なる
- 花を飾ったり育てたりするだけで癒やし効果を得られる
- 花の精油の香りもストレスや抑うつなどの緩和に効果的
- 心身の状態に合わせて花を使い分けるのがポイント
本記事を読んだあなたであれば、花を上手に活用して心身の不調を改善したり、より良い状態を維持したりできるでしょう。ぜひこの機会にフラワーセラピーに挑戦して、幸せな毎日をお過ごしください。