観葉植物の育て方として、よく取り上げられている「葉水」。何となくやっている人も多いですが、正しいやり方で行えば「病害虫の予防」や「ほこりの除去」など様々な効果を期待できます。
そこで今回は、葉水の正しいやり方を3つのポイントに分けて解説します。この記事を読んでもらえれば、あなたの観葉植物をより元気に育てられるでしょう。
また、葉水をする際の注意点やおすすめの霧吹き(水やり道具)も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
(トップ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/24050916))
「葉水」とは?知っておくべき基礎知識
葉水(はみず)とは、その名の通り葉に水を直接与えることです。一般的には霧吹きを使って水を吹きかけるのが主な手法です。
植物と言えば、根から水分を吸収するイメージがありますが、実は葉の方からも水分を吸収しています。そのため、土だけでなく葉の部分にも水を与えると、植物が元気に育ちやすいのです。
また、定期的に葉水をすることで、植物にとってもあなたにとっても様々なメリットがあります。次の章では、葉水によって得られる効果について詳しく解説します。
観葉植物に葉水をすることで得られる3つの効果とは
一般的に葉水が良いとされているのは、もちろんそれなりのメリットがあるからです。以下では、葉水がもたらす3つの効果を紹介しているので、さっそく見ていきましょう。
- 病害虫の予防
- ほこりの除去
- 乾燥対策
病害虫の予防
観葉植物の病気の原因となる害虫は、乾燥している環境を好みます。つまり、定期的に葉水をして乾燥するのを防げば、害虫や病気が発生しにくくなるのです。
ちなみに植物についた害虫が人体に影響を与えることはほぼありません。しかし、衛生的に良いとは言えず、不快感を覚えることもあるので、葉水を行うのはあなたにとってもメリットがあると言えます。
ほこりの除去
室内で観葉植物を育てていると、葉の表面にほこりが溜まりやすいです。葉の汚れは見た目を悪くしたり、光合成を妨げたりするので、しっかり取り除いておく必要があります。
そこで役に立つのが葉水です。定期的に葉水をすれば、葉についたほこりを除去できるので、植物をより良い状態に保つことができます。
葉を1枚ずつ手入れするのはとても手間がかかるので、作業の効率性を考えても葉水はおすすめです。
乾燥対策
葉水には空中湿度(株の周辺の湿度)を高める効果があり、乾燥によるダメージを防ぐことができます。多くの観葉植物は乾燥を嫌い、場合によっては枯れてしまうこともあるので、葉水をするのはとても有効です。
もちろん葉水をするだけで、適切な湿度を保てるわけではありません。しかし、できるだけ空中湿度を高めて自生地の環境に近づけることで、健康な株に育てられるのもまた事実です。
葉水が効果的な観葉植物の種類とは?
様々なメリットがある葉水ですが、どのような観葉植物に効果的なのでしょうか。結論から言うと、ほとんどの観葉植物に葉水は有効と言えます。
多くの観葉植物は熱帯・亜熱帯が原産で、多湿を好む性質があります。そして葉水には空中湿度を高める効果があるので、ほとんどの植物に有効であると言えるのです。
特に『モンステラ』『テーブルヤシ』『エバーフレッシュ』など空中湿度を好む植物には、積極的に葉水を行うと良いでしょう。
その一方で、乾燥した地域に自生する多肉植物は、基本的に葉水を必要としません。観葉植物の中には葉水を嫌うものもあるため、事前にインターネットや書籍で育てる植物について調べておくと安心です。
葉水の正しいやり方を3つのポイントに分けて解説
ここまでの内容で、葉水には病害虫の予防や見栄えを良くする効果があることがわかりました。では、どのようにして観葉植物に葉水を行えば良いのでしょうか。
ここからは、葉水の正しいやり方を以下の3つのポイントに分けて解説していきます。
- 水の与え方
- 水を与えるタイミング
- 水を与える頻度
葉水と聞いたとき、多くの人は「葉に水を吹きかけるだけでしょ?」と思うかもしれません。確かに間違いではないですが、正しいやり方でないと効果が薄れてしまい、場合によっては植物を傷めてしまいます。
次の章からは、3つのポイントについて詳しく解説していくので、この機会にしっかりと葉水の知識を深めておきましょう。
葉水のやり方のポイント①水の与え方
葉水のやり方はとても簡単で、霧吹きのボトルに水を入れて葉に吹きかけるだけです。大量の水を与える必要はないので、葉を潤すようなイメージで軽く吹きかけるようにしてください。
葉の表側にはほこりが溜まりやすく、裏側には害虫がつきやすいので、全体に水が行き届くように吹きかけると良いでしょう。
なお、霧吹きから出るミストの粒が大きいと、観葉植物がビショビショに濡れやすいです。水のやりすぎは植物を傷める原因になるので、できるだけミストが細かい霧吹きを選ぶことをおすすめします。
葉水のやり方のポイント②水を与えるタイミング
葉水を行うタイミングは、空気が乾燥しているときが目安の1つです。また、季節によって葉水を行うタイミングを変えることも重要です。
例えば、夏場は日中に葉水をすると、水分がお湯のようになって葉を傷めてしまいます。ですので、気温が高い時期は朝夕の涼しい時間に葉水をするのがベストです。
反対に、冬場は日中に葉水をするようにします。と言うのは、朝夕は気温が下がりやすく、水滴が葉を冷やして傷めてしまうためです。
上記の内容を見てわかるように、“気温の影響を受けにくい時間帯”が葉水を行うのに最適なタイミングと言えます。
葉水のやり方のポイント③水を与える頻度
水の量や時間帯に気をつけていれば、毎日葉水をしても問題ありません。仕事や家事などで忙しく、「毎日はちょっと大変かも…」という人は、1週間に数回程度を目安に行うと良いでしょう。
前述したように、葉水には病害虫や乾燥を防いでくれる効果があります。更に観葉植物の見栄えを良くしてくれるので、定期的に行うのがおすすめです。
なお、空気が乾燥しているときや湿度が低い日は、植物が乾燥しやすいので積極的に葉水を行いましょう。あまりにも乾燥した日が続くようであれば、毎日葉水を行うようにしてください。
葉水のやり方は簡単だけど「水の量」には注意
葉水をするときに注意すべきなのが「水の量」です。様々な効果を期待できることから、たっぷり葉水をする人もいますが、水のやりすぎは植物を傷める原因になります。
例えば、大量の水を吹きかけて葉に大きな水滴を付けると、虫眼鏡のように光を集めて熱を持ちます。その結果、熱によって葉が焼けてしまい、植物がダメージを受けてしまうのです。
また、湿度が高いときにたくさんの水を与えると、カビの原因になってしまうので注意が必要です。
水の与え方の中でも解説したように、葉水をする際は“葉を潤すようなイメージで軽く吹きかける”のがポイント。水の量が増えれば増えるほど効果が高まるわけではないので、適度な量を心掛けてください。
葉水におすすめ!使いやすい霧吹きを3つ厳選
最後に、葉水をするのにおすすめな使いやすい霧吹きを3つ紹介します。園芸用の霧吹きには様々な種類があるので、自分にとって使いやすいものを選んでみましょう。
- 100円ショップの霧吹き
- マルハチ産業株式会社の『ミスティーブルー』
- フルプラの『ダイヤスプレー』
100円ショップの霧吹き
「安くて使いやすい霧吹きが欲しい」という人には、100円ショップの霧吹きがぴったり。低価格でありながら、ミストの調整機能が付いていたり、噴射しやすいように設計されていたりと十分な機能を備えています。
また、デザインのバリエーションが豊富で、自分好みのものを見つけやすいのも100円ショップの魅力。きっとあなた好みの1本を見つけることができるでしょう。
マルハチ産業株式会社の『ミスティーブルー』
機能性を重視するなら、マルハチ産業株式会社の『ミスティーブルー』がおすすめ。ミスティーブルーはペットボトル専用のスプレーヘッドで、あらゆる場所にスプレーできるロングノズルになっているのが特徴です。
更に逆さにしても問題なく使えるので、どのような植物に対しても簡単に葉水を行えます。クオリティーが高く、値段もお手頃(ECサイトで税込400円前後)なので、ぜひ気になる人は使ってみてください。
フルプラの『ダイヤスプレー』
『ダイヤスプレー』は、老舗メーカーのフルプラが誇る高品質の噴射器ブランドです。霧の粒が細かく、均一に水を吹きかけられるので、葉水をするのに最適な霧吹きと言えます。
また、どのような角度からでもスプレーでき、水がなくなる最後までストレスなく噴射できるのも魅力的なポイント。園芸好きの人たちから支持されているおすすめの霧吹きです。
まとめ:正しいやり方で観葉植物をケアしよう
今回は、葉水の正しいやり方について解説しました。改めて葉水のポイントを簡単にまとめてみます。
- 多くの観葉植物に葉水は有効
- 葉を潤すようなイメージで軽く水を吹きかける
- 季節によって葉水のタイミングを変える
- 定期的に葉水を行う(毎日でも問題なし)
葉水は観葉植物のケアにうってつけの方法で、病害虫の予防や冬場の乾燥対策に効果を発揮してくれます。更に植物の見栄えが良くなるので、今からでも葉水をすることをおすすめします。
ぜひこの機会にあなた好みの霧吹きを手に入れて、大切な観葉植物をケアしてあげましょう。