「自宅にオシャレな暖房を取り入れたいけど、暖炉と薪ストーブどっちが良いんだろう」「そもそも暖炉と薪ストーブは違うもの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
どちらもあまり身近なものではないので、暖炉と薪ストーブについて知る機会は少ないですよね。
今回はそんな方のために、暖炉と薪ストーブの特徴と、それぞれの暖房にかかる費用を解説していきます。
この記事を読めばあなたの理想に合った暖房を選べるようになりますので、ぜひ最後まで読んでください。
(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%e6%9a%96%e7%82%89-%e3%83%9e%e3%83%b3%e3%83%88%e3%83%ab%e3%83%94%e3%83%bc%e3%82%b9-558985/)
暖炉と薪ストーブは違うもの
そもそも薪ストーブとは暖炉を改良した暖房器具のことで、これらは異なる暖房器具です。主に以下2点に違いがあります。
- 構造
- 熱効率
暖炉は基本的に本体が壁に埋め込まれている形になりますが、薪ストーブは炉台(床や壁を熱から守るための台)さえあれば部屋の中央に設置することも可能です。
また、暖炉には扉がないのに対し、薪ストーブには扉がついているという違いもあります。
そのため熱効率に大きな差があり、暖炉は薪を燃焼した際の10~20%しかエネルギーを利用できず、薪ストーブは70~80%を利用できると言われています。
あなたに合うのは暖炉?薪ストーブ?
暖炉と薪ストーブが異なる暖房器具であることはわかりましたが、どちらがあなたに合っているのでしょうか。
それを判断するにはもっと暖炉と薪ストーブのことを知る必要がありますよね。
以下では暖炉と薪ストーブそれぞれのメリット・デメリット、設置や使用にかかる費用を紹介していきます。
どちらにもたくさんの魅力がありますので、あなたが暖房器具に求めているものを想像しながら読み進めてみてください。
暖炉のメリット
暖炉のメリットとして挙げられるものを、以下の表にまとめました。
- 見た目がオシャレ
- 直火での調理が可能
- 匂い、音、炎の揺らぎを楽しめる
暖炉のここに憧れて自宅に取り入れたいと思っている方も多いと思いますが、まず見た目がとてもオシャレです。
また暖炉には扉がないため、直火での調理をすることができます。ピザやホイルに包んだジャガイモを焼いて食べると美味しそうですね。
薪の匂い、火が爆ぜる音、炎の揺らぎなどを直接的に楽しめるのも、暖炉に扉がないからこそのメリットと言えます。
暖炉のデメリット
暖炉のデメリットとして挙げられるものを、以下の表にまとめました。
- 熱効率が悪い
- 扉がないため危険
- 煙突のメンテナンスが必要
暖炉は薪を燃焼して生み出したエネルギーのほとんどを煙突から排出してしまうため、熱効率がとても悪いです。
また扉がついていないため、ペットや小さな子供と暮らしている場合は大きな事故につながる可能性もあります。
さらに、火災の原因になるため煙突内のススは定期的に掃除しなくてはいけませんが、自力で掃除するのは困難なためその都度専門業者に依頼する必要があります。
薪ストーブのメリット
薪ストーブのメリットとして挙げられるものを、以下の表にまとめました。
- ストーブ上部での調理が可能
- 扉があるため比較的安全
- 熱効率が良い
- 火力調節が可能
薪ストーブも暖炉同様に直火での調理が可能ですが、それに加えてストーブの上部で煮込み料理などをすることもできます。
部屋を暖めるために使用している熱を利用できるので、ガスコンロとは違って光熱費を気にせず長時間火にかけておけるのがうれしいポイントですね。
また扉がついているため、暖炉に比べ安全であり、逃げる熱も少ないため熱効率が良いです。
さらに空気調整レバー(燃焼に使う空気の量を調節できる)があるので、温度が上がり過ぎないように火力調節をすることもできます。
薪ストーブのデメリット
薪ストーブのデメリットとして挙げられるものを、以下の表にまとめました。
- 煙突のメンテナンスが必要
- オフシーズンは邪魔になる
煙突のメンテナンスが必要になるのは暖炉と同じで、薪ストーブの場合もその都度業者に依頼する必要があります。
また、暖炉は基本的に壁に埋め込まれていますが、薪ストーブは部屋の中央に設置することも可能です。
設置場所をよく考えてから決定しないと、オフシーズンに邪魔に感じるかもしれません。
暖炉と薪ストーブにかかる諸費用
暖炉や薪ストーブを自宅に取り入れるとかかる3つの費用を、以下の表にまとめました。
- 設置費用
- 薪代
- メンテナンス費用
これら3つの費用の目安について、暖炉と薪ストーブで比較しながら以下で解説していきます。
設置費用
規模や機能性などによって差が出ますが、設置費用の目安は以下の通りです。
設置費用目安 | |
暖炉 | 200~300万円 |
薪ストーブ | 90~130万円 |
なおここで言う設置費用は、暖炉または薪ストーブの本体代と工事費の合計を指しています。
暖炉に比べると薪ストーブは約半分ほどの費用で設置できる場合が多いようですね。
薪代
使用する時間にもよりますが、1か月あたりの薪代の目安は以下の通りです。
薪代目安/月 | |
暖炉 | 4~5万円/月 |
薪ストーブ | 3~4万円/月 |
なお自力で薪を用意せず、すべて購入した際の目安を記載しています。
熱効率に差があるため、薪ストーブのほうが1万円ほど安くなっているようです。
メンテナンス費用
メンテナンスにかかる費用は、暖炉も薪ストーブもあまり変わらないようです。
暖炉や薪ストーブを使用するならば、火災の原因となる煙突内のススの掃除を、年に1度は行う必要があります。
自分でやると危険な作業なので業者に依頼することになりますが、1回あたり2~5万円程度の費用がかかります。
結局どちらがオススメなのか
ここまでで暖炉と薪ストーブそれぞれについて解説してきましたが、結局どちらがオススメなのでしょうか。
結論から言うと、暖炉自体に強いこだわりがある方以外には薪ストーブがオススメです。
もちろん暖炉にも良いところはたくさんありますが、薪ストーブは暖炉を改良して作られたものというだけあり、費用の面でも機能の面でも優れています。
もしどちらにも魅力を感じていて決められないという方がいれば、薪ストーブを選択することをオススメします。
設置する際の注意点
暖炉や薪ストーブを設置するにあたって、注意しなければいけないのが以下の2点です。
- 近隣住民とのトラブル
- 設置すると移動が難しい
暖炉や薪ストーブを使用すると、煙や騒音によって近隣住民とトラブルになる可能性があります。
設置する際には、必ず近隣住民に設置する旨を説明し、理解を得ると良いでしょう。
また、暖炉も薪ストーブも、一度設置すると移動させることが困難です。
オフシーズンに生活が窮屈にならないよう、入念にシミュレーションしてから設置場所を決めましょう。
【まとめ】暖炉と薪ストーブの違い
今回は暖炉と薪ストーブの特徴と、それぞれの暖房にかかる費用について解説しました。
- 薪ストーブは暖炉を改良した暖房器具
- 薪ストーブのほうが熱効率が良い
- 薪ストーブのほうが費用が安い
- 近隣住民とのトラブルに注意
比べてみると、費用の面でも機能の面でも薪ストーブのほうが優秀と言えそうですが、暖炉にも暖炉にしかない魅力があることも確かです。
この記事を読んで暖炉と薪ストーブそれぞれの良さを理解できた方は、どちらがあなたの理想に合っているのか考えてみてください。