「カーペットが大きくて敷くことができない」「部屋の凹凸に上手く合わない」という問題が起きると、「自分でカットしてみようかな」と考えますよね。
しかし、1度切ると元には戻せないため、「上手く切れなかったらどうしよう…」と不安な気持ちになるでしょう。この記事を読んで頂ければ適切なカット方法が分かるので、不安な気持ちを払拭することができます。
今回は、自分でカットできるカーペットの見分け方、自分でカットする方法を3つの手順に分けて紹介していきます。ご自身でのカットを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
自分でカットできれば「手間」と「費用」を抑えられる
カーペットをカットするとき、「自分で切ろうか、それとも業者に頼もうか…」と迷うこともあるかと思います。
確かに業者に依頼するのも1つの方法ですが、以下の3つの点を踏まえると自分でカットをした方がおすすめと言えます。
- 業者を探す手間が掛かる
- 人件費が掛かる
- 持ち運びが大変(集荷を頼むと配送料が掛かる)
実は購入済みのカーペットをカットできる業者が少ないため、必ずしも住まいの近くに専門店があるとは限りません。
そのような場合、「加工費用」に加えて「配送料」まで必要になります。業者を探す手間や費用の面を考えると、自分でカットをした方がメリットも大きいです。
但し、カーペットによってはカットできないものや切りにくいものもあるので、自分で切るのが困難な場合は業者に依頼する方が安心です。
購入店によってはサイズ直しに対応している場合があるので、自分でカットできない場合は1度問い合わせてみると良いでしょう。(当店で購入したカーペットに限る)
自分でカットできるカーペットの見分け方
自分でカーペットをカットする前に、まずは「自分でカットすることが可能なのか」を判断する必要があります。
カーペットをカットできるかは、基本的に「裏地」を見て頂ければ判断できます。(判断ができない場合は、「購入店」などに問い合わせてみるのも1つの方法です。)
裏地には「不織布」「麻張り」「織り」という3種類があり、それぞれの裏地には以下のような特徴が見られます。
- 不織布:繊維が渦巻いていて「フェルト」のような見た目になっている
- 麻張り:「麻」で網目状に編んでいる
- 織り:表面と同じ「柄」が出ている
この3つの裏地の中で「織り」(上記の画像のようなカーペット)だけは、切った端から糸が解けてしまうので自分でカットするのは避けましょう。
一方で「不織布」「麻張り」のタイプは「タフテッドカーペット」である可能性が高く、切り口から糸が解けることはほとんどありません。
タフテッドカーペット:基布にパイル(毛羽)を刺し込み、接着剤(ラテックスなど)でコーティングされたカーペット
但し、タフテッドカーペットでも「厚くて思うように切れない」「毛足が長くてカットがしにくい」という場合があるので、予めカットがしやすいカーペットなのか確認しておくとより安心です。
カーペットの買い替えも要検討
前章では「カーペットの種類によってはカットできる」と紹介しましたが、基本的にはフリーカットに対応していなければカットしない方が無難です。
既製品のカーペットは売られている状態が完成形であるので、そこに手を加えることは基本的に想定されていません。
とは言え、部屋の構造上カットが必要になることもあるので、そのような場合は「タイルカーペット」や「オーダーカーペット」も検討してみましょう。
コストは掛かってしまいますが、部屋の形状に合わせて綺麗に敷き詰めることが可能です。
カーペットは長く付き合っていくアイテムなので、自分でカットするのか買い替えをするのかは慎重に考えましょう。
カーペットをカットするときに必要なアイテム
ここからは自分でカーペットをカットする方法を紹介していきます。
カーペットを自分で切る場合は以下のアイテムを準備しておきましょう。
- ハサミ(またはカッター&カッターマット)
- メジャー
- 定規
- 色鉛筆(カーペットに印を付けられるもの)
- ボンド
ハサミを使う場合は「裁ちばさみ」、カッターを使う場合は「新しい刃」しておきましょう。(ハサミまたはカッターは切りやすい方を選択して頂ければ問題ありません。)
カーペットをカットする手順
セルフカットに必要なアイテムを紹介したところで、カーペットをカットする手順を紹介していきます。
- 寸法を確認してカーペットに印を付ける
- ハサミまたはカッターでカットをする
- ほつれが気になる場合はボンドで補修する
慣れない作業でありながら刃物による危険性も伴うので、怪我をしないよう十分に注意して作業を行ってください。次の章からは、上記の3つの手順について詳しく解説していきます。
①寸法を確認してカーペットに印を付ける
セルフカットで最初にやるべきことは、カットする寸法を確認してカーペットに印を付けることです。
中にはフリーハンドで行う方もいますが、綺麗にカーペットをカットするためには印を付けることが鉄則です。
まずはカットしたい場所をメジャーで測って寸法を確認します。寸法を確認できたらカーペットの裏面に定規を当てて色鉛筆などで線を引きましょう。
この印があるだけでカットするときの安心感とカットした後の見栄えが大きく変わります。
②ハサミまたはカッターでカットをする
カーペットの裏に印を付けたら、ハサミまたはカッターを使ってカットをしていきます。
使用する道具はどちらでも構いませんが、薄手のタイプであれば「カッター」、毛足が長いタイプであれば「ハサミ」の方が使い勝手が良いでしょう。
- カッター:定規を添え、1回で切るように心掛けて力を入れながらカットする
- ハサミ:カーペットを少し浮かせ、余計な毛足を切らないようにカットする
尚、カッターを使用する際は「カッターマット」などを敷いて床に傷を付けないよう養生しましょう。
ハサミ・カッターのどちらでもカット可能な場合は、「カッター」の方がまっすぐカットできるのでおすすめです。
③ほつれが気になる場合はボンドで補修する
カットをした後にほつれが気になる場合は、ボンドを使って補修をしましょう。補修の仕方はシンプルで、気になる部分にボンドを薄く塗り込むだけです。
ボンドの量が多いと乾いたときに硬くなってしまうので、ほつれを防止できる程度に薄く塗ることを意識しましょう。
また、ボンドが床に付くことで床材を傷めてしまう可能性もあるので、しっかりと乾いたことを確認してから敷くようにしてください。
カーペットをカットするときの注意点
ここまでカーペットをカットする手順を紹介しましたが、なるべく見栄えを綺麗に仕上げるためにも以下の3つのことには注意しておきましょう。
毛足が長い場合は巻き込みに注意
カーペットの種類によっては毛足の長いタイプがあり、確認せずに作業を進めると下地と一緒にカットしてしまうこともあります。
毛足が不揃いになる見栄えが悪くなるので、毛足の位置も確認しながら作業を進めていきましょう。
カットする回数を少なくする
決して切りやすいとは言えないカーペットですが、カットする回数が少なくなるように心掛けましょう。
カットの回数が増えると切断面の見た目が悪くなってしまう場合もあります。
また、カーペットの毛足には「ループタイプ」といった輪の形をしたものもあり、切り込みが浅いと分断するのに苦労するので注意が必要です。
切断面・ロック加工の処理は丁寧に
カーペットをカットした後は、切断面やロック加工(カーペットの端の二重縫いされた部分)の部分にほつれがないか確認しましょう。
ほつれの心配が無さそうならそのままの状態でも良いですが、ほつれが起きそうな場合はボンドで補修を行いましょう。
先程も述べたようにあくまでもほつれを防止するだけなので、ボンドの量は少量に留めてください。
カーペットを自分でカットする方法まとめ
今回は、自分でカットできるカーペットの見分け方、自分でカットする方法を紹介しました。改めて紹介した内容のポイントを簡単にまとめてみます。
- 手間や費用を考慮すると自分でカットする方がおすすめ
- 裏地に「柄」が見える「織りカーペット」は自分でカットできない
- 基本的にフリーカットに対応していないものは切らない方が良い
- フリーハンドではなく印を付けるのが鉄則
- 毛足の巻き込みに注意してカットの回数をなるべく減らす
- ほつれがないかしっかりと確認する(ほつれがあればボンドなどで補修)
カーペットをカットするのは慣れない作業となるので、怪我には十分に注意しながら作業を行ってください。