「椅子が床に叩きつけられた拍子に、座面割れしてしまった!」とお困りではありませんか?
そんなときは、捨てる前に、修理を検討してみましょう!新品同様の耐久性を取り戻すことは難しくても、割れていたことがわからなくなるくらいまで修復することは可能です。
今回の記事では、初心者向けと上級者向けの2種類の修理方法と、座面割れ修理のポイントついて解説していますので、ぜひ最後まで目を通してください。
椅子の座面割れの修理には2日間かかる
座面割れした椅子の修理には、基本的に割れた座面の断面にボンドを塗って、しっかり接着させることが必須です。
ボンドが乾くまで、その接着面がズレないようにするために、木材と木材を接着させる締め具(クランプやハタガネなど)で固定することも大切な工程です。
この固定はできれば丸1日かけて放置して、ボンドが完全に固まるように必要があります。なので、椅子の座面修理には、少なくとも2日かけてゆっくり取り組んでみましょう。
椅子の座面割れの修理には2種類ある
椅子が座面割れした場合は、大抵、つなぎ目部分で割れることが多いです。その割れた座面をボンドで接着すれば良いのですが、さらに補強する方法が2つあります。
【初心者向け】座面裏面から補強板を取り付ける方法
椅子座面の割れ方は、木目に沿って垂直なケースが多いです。座面の裏面から、垂直な割れ目に対し板をビス(先端が尖っていてネジ溝があるもの)で固定する方法があります。
これは一番簡単なやり方ですが、裏から見ればハリボテ修理のように見えてしまいます。この方法は、後の見出しで紹介します。
【上級者向け】割れた断面にダボを入れて補強する方法
椅子の割れた断面に、ドリルで穴をあけ木材同士をつなぎ合わせる際に用いられる木材(ダボ)を入れた後に、ボンドで固定する方法があります。
これは、少し手間がかかりますが、強度はかなり上がります。この方法も後の見出しで紹介しますよ。
椅子の座面割れの修理に使う道具一覧
椅子の座面割れに使用する道具は、修理のやり方によって用意する物は異なります。初心者向けと上級者向け、それぞれの修理で揃えた方が良いものを下記にまとめました。
- 木工用ボンド
- ハタガネまたはクランプ
- 電動ドリル
- ビス
- 雑巾
- 紙やすり
- ハケ
- 塗料(ニス)
- 当て木
- 木工用ボンド
- ボールペン
- ハタガネまたはクランプ
- キリ
- 金槌
- 電動ドリル
- ダボ
- 小刀
- ペンチ
- ノコギリ
- 雑巾
- パテ
- パテ用のタッチペン
- 紙やすり
- ハケ
- 塗料(ニス)
用意する道具はけっこう多いですが、個人で揃えることができる物ばかりですので、ホームセンター等で手に入れてください。
【初心者向け】椅子の座面割れ修理のやり方①断面を固定する
まずは、初心者向けで椅子の座面割れの修理のやり方を説明していきます。断面を固定するまでの大まかな手順は以下の通りです。
- 断面同士をボンドでくっつける
- 締め具で固定する
- 乾燥させる
最初に、割れた座面の断面に対して、木工用ボンドを塗っていきます。
割れた座面が直線になるように接着させてハタガネで接着面がズレないようにしっかり固定します。これは、丸1日以上かけてじっくり乾燥させておきましょう。
ハタガネで接着面を固定した時に、木材と木材を合わせたところからボンドが溢れてくるため、少し濡らした雑巾で、溢れたボンドを抜き取っておきます。
拭き取っておかないと、ボンドが座面表面で固まってしまい、後からやすりがけで研磨するのが難しくなってしまいます。
【初心者向け】椅子の座面割れ修理のやり方②補強板を取り付ける
次の、ボンドで固定した後の工程を大まかな手順は以下の通りです。
- 補強板を座面の裏面に当てる
- ビスで固定する
裏面から補強板(当て木などちょっとした端材でもOK)を座面の割れ目に沿って当てて、ビスで少なくても4箇所固定しておきましょう。
なお、ビスの長さは、当て木と座面の厚さを合わせて超えない程度の短さのものを選びましょう。長すぎると、座面からビスが飛び出してしまい危ないです。
【上級者向け】椅子の座面割れ修理のやり方①ダボを差し込む
今度は、上級者向けの椅子の座面割れ修理のやり方を説明します。ダボを差し込むまでの工程は以下の通りです。
- ボールペンで印をつける
- ドリルでダボ用の穴を開ける
- ダボを差し込む
割れた両方の断面に、ダボを入れるための場所をボールペンなどで印付します。直径30cmほどの座面であれば2カ所、それ以上の大きさの座面であれば3〜4カ所は必要です。
印をつけた場所に、キリと金槌で仮の穴をあけます。これを開けておくと、電動ドリルで垂直に穴を開けやすくなりますよ。
穴の深さは、1/15(穴の深さ/座面の長さ)の割合がおすすめです。直径30cmほどの座面であれば2cmほどの深さまで掘っていきましょう。
穴より太めのダボを使用します。ダボの先っぽを、小刀で少しずつ削ったり、ペンチで潰したりして穴にフィットするように微調整を繰り返していきます。
【上級者向け】椅子の座面割れ修理のやり方②パテを埋め込む
次の、座面にパテを埋め込んで見た目を仕上げるまでの工程は、以下の通りです。
- ダボをカットする
- ボンドで断面をくっつける
- 締め具で固定する
- 欠けた座面にパテを埋め込む
- 木目を書く
座面に差し込んだダボをちょうど良い長さまでカットする必要があります。
もう片面の割れた座面の差し込み具合が決まったら、ノコギリでいらない部分をカットします。
穴の開いた部分とそれ以外の断面にボンドを塗り、割れた面を貼り合わせます。この時に、椅子の表面からボンドがはみ出てしまうので、少し濡らした雑巾で拭き取りましょう。
接着面がズレないように、座面のタテとヨコにハタガネを取り付け、しっかりとしめつけます。できれば一日以上の乾燥が望ましいです。
ハタガネを外した後は、パテ(欠けた部分を埋めるペースト状の素材)を練っておきます。
割れた時に、座面が欠けてしまうことがあるので、この割れた隙間にパテを埋め込みましょう。パテ埋めのあとは、タッチペンで木目を書きます。
【初心者・上級者に共通】塗装のやり方
最後に塗装をして見栄えをよくしていきましょう。パテが埋め込まれた箇所は、デコボコしていることが多いです。
塗装をする前に、まず塗装を剥がす必要があるので、粗めの紙やすり(#80)で座面全体をかけます。その後、細めの紙やすり(#400)でさらに綺麗に研磨していきましょう。
割れ目をより綺麗に、見えにくくするために元々の材質と同系色の塗料を選んで、椅子全体に塗装します。完全に乾燥すれば修理完成です。塗装は、木材の種類に応じて選んでくださいね。
このやすりがけと塗装の工程は、座面割れした裏面に補強板をつける簡単な修理のやり方でも共通してできますし、見栄えが良くなります。
【修理のポイント】座面割れ部分の圧着!
椅子の座面割れ修理のポイントは、いかに割れた断面をしっかり接着させるかです。木工用ボンドとハタガネまたはクランプを正しく使えば強力にくっつくんです。
木工用ボンドの特徴は、接着面に隙間が少しでもあれば、パッキリ取れてしまうことです。
そうならないように、塗ったボンドをヘラで満遍なく伸ばし、接着面同士の隙間がないようにするために、ハタガネで、ガッチリ、力をかけ圧着します。
クランプは安くて手に入れやすいですが、構造上そんなに固定力はありません。ハタガネの方が固定力が強く、3個くらい同時に使えれば確実に固定できますよ。
まとめ
今回の記事では、座面割れした椅子の修理方法について紹介しました。座面割れ修理のポイントは、確実に割れた座面同士を直線のように接着させて溝をなくすことです。
そのために、道具は惜しみなく揃えておくのがベストですし、1日以上かけてじっくり割れた断面を固定する必要があります。
この記事で紹介した座面割れの修理方法は、テーブルの天板割れにも通用するやり方です。「割れてしまって捨てるしかない」と考える前に、ぜひこの記事の修理方法を試してみてください。