革張りの椅子には温かみがあって、食卓にはぴったりの家具です。そんな椅子の座面が破れていると、「早めに補修をしなくては!」と、思いますよね。
だからといって、自己流で補修を行うと、あとから取返しのつかないことになってしまいます。
今回は、椅子が破れたときの正しい補修の知識についてご紹介します。皆さんのお部屋の中にも破れた革の椅子があれば、ぜひ参考にしてくださいね。
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破れた革張りの椅子は、自己流で補修すると危険!
椅子が破れると、ガムテープやビニールテープで補修してしまいがちですが、手早く済むからといって、革張りの椅子に貼るのは危険です。あとからテープを剥がしにくくなり、正しい補修がやりづらくなる為です。
また、革の特性上、布のパッチワークのように、破れた部分だけを新しい革で補修することはできません。
特に、補修する部分が椅子の座面の場合、補修した部分に強度が必要です。強度がないと、使っているうちに破れが広がり、さらに状態が悪化する原因になってしまいます。
破れた椅子の補修は急がずに落ち着いて、これからご紹介する補修方法を、ぜひ試してくださいね。
破れ補修の前にまず確認。手持ちの椅子は「合皮と本革」どっち?
自宅にある椅子の素材が、合皮と本革どちらになるか、皆さんはご存知ですか?
合皮と本革とで補修方法は異なりますので、一度確認が必要です。さっそく、椅子についているラベルを確認してみましょう!
もし、ラベルが無く、合皮か本革かの判断ができない場合には、以下の”本革の特徴”を参考に確認してくださいね。
- 革の断面を見ると、切りっぱなしで毛羽立ちがあり、繊維質。
- においをかぐと、独特の革のにおいがする。
椅子の破れには、合皮は補修シート、本革は修理店の確認を。
合皮か本革か、椅子の素材は確認できましたか?補修にあたって、それぞれ事前に準備するものが異なります。
合皮の場合
破れた革に最適な補修方法は、合皮補修シートを貼ることです。表面に革特有の凹凸加工がされているので、手持ちの革張りの椅子にも馴染んでくれますよ。
あまり馴染みのない素材ですが、ホームセンターで販売されています。近くの店舗で見当たらない場合は、ネット通販で購入することも可能です。
本革の場合
本革の椅子が破れた場合、合皮補修シートを使うのはやめておきましょう。自分で補修はせず、修理店で補修のプロへ依頼するのが一番です。
なぜなら、合皮と本革は全く違う素材になるからです。合皮はビニール製ですが、本革は動物の革を使っているので、それだけ革の価格も異なります。
修理店を確認するには、購入した椅子のメーカーへ依頼する方法と、自分で探す方法と2つあります。
自分で探すときには補修を依頼するときの送料についても考えて、なるべく近場の修理店を探すといいでしょう。
<合皮の椅子が破れた場合>補修のヒント
ここからは、補修する前に知っておきたいヒントをご紹介します。合皮の場合、先ほどご紹介した合皮補修シートを使って補修ができます。シート自体に伸縮性があるので、もちろん強度に問題はありません。
使い方はとっても簡単。あらかじめ張り付ける場所を拭いたあと、補修シートを好きな大きさにカットして、シールのように貼るだけです。
黒・白以外の色は、革とシートの色を合わせるのが大変かもしれません。そんなときは、補修シートの小さいサイズをサンプルとして購入することができますよ。
また、ネットで購入する場合、「色や質感を確認できなくて不安!」という方も、事前にサンプルを利用してみてはいかがでしょうか。
<本革の椅子が破れた場合>補修のヒント
次に、本革の補修を依頼する場合、事前に知っておきたいヒントをご紹介します。
革の破れ補修を行うと、補修した部分の手触りが周りと比べて少し硬くなることがあります。革独特の手触りにこだわりのある方には、本革の補修はおすすめできません。
「手触りの変化は特に気にならない」という方は、破れた箇所の補修をどの程度行うのか、事前に予算や仕上がりのイメージをしっかりと打ち合わせすることが大切です。
見積もりの際には、座面の写真はもちろんですが、タテ・ヨコ・高さのサイズも計測してから依頼すると、スムーズに対応していただけますよ。
革の破れ補修は一時的なもの。最終的には椅子の修理が必要
補修をしたからといって、安心するのは禁物です。補修はあくまでも応急処置。破れを根本から解決するなら、修理をしなければいけません。
革張りの椅子を修理するには、「革の張替え」を行います。先ほど、本革を補修するとその部分だけ手触りが変わるとお伝えしましたが、本革は補修後の手触りが気になる場合、革を丸ごと張替えるようになります。
一方、合皮の椅子は、合皮自体の寿命が5年ほど。破れるたびに補修をしても、革はどんどん劣化してしまいます。ダイニングに置いている椅子が補修シートだらけになるのは、ちょっと嫌ですよね。
破れた革を新しく張替えれば、もう破れを気にすることもなくなりますよ。
椅子の破れがひどいときは、革の補修よりも修理を優先しよう
合皮でも本革でも同じことが言えますが、破れがひどい場合は早めに修理へ出して、張替えを依頼するのが一番です。
ですが、忙しくて修理に出す時間が無かったり、依頼先の修理店選びも大変だと思います。
すぐに修理に出すのが難しい方は、その間に合皮補修シートを使って、破れが広がらないようにしたり、中のウレタンが出てこないようにするのも一つの方法です。
ただし、本革の椅子だと補修シートが使えませんので、革の素材には気をつけて対応しましょう。
修理店への依頼でも、椅子の張替え対応は様々。
修理店へ依頼すれば、美しい仕上がりで張替えをしてくれます。本体が木製の椅子にはありがちな、椅子の脚の「傷や欠け」があれば、一緒に相談すると、対応してくれる店舗がほとんどです。
また、椅子1脚を修理店へ郵送するとなると、それだけ送料がかかります。送料の節約として、椅子の座面を取り外して、座面だけ修理店へ郵送するという方法もあります。
あとは、張替えが終わった座面を自宅で取り付ければいいので、「しばらく椅子がなくても大丈夫!」という方は、こちらの方法も検討してみるのも、いいかもしれませんね。
さらに費用を抑えたいときは、DIY張替えもできる
さらに費用を抑えたいときや、「椅子がしばらく手元から無くなってしまうと困る!」という方には、DIY張替えという方法もあります。
DIY張替えは自宅で作業ができますが、必要な工具や新しい革を、事前に準備する必要があります。
始めは材料をそろえたり、慣れない作業を行うのは大変だと感じるかもしれません。ですが、何度も作業をすれば張替え作業に慣れてきますし、自分で張替えるほうが経済的になりますよ。
ただし、DIY張替えも本革で行うとなると、失敗したときの材料費が心配です。本革の場合は自分で張替えず、必ずプロへ依頼しましょう。
「費用も抑えたいけど、DIYはミスやケガが怖い」そんな方はコレ一択!
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まとめ
毎日使う食卓の椅子は、それだけダメージを受けやすくなりますね。自宅に長年使った革張りの椅子をお持ちの場合、破れた革の補修方法は、革の種類によって異なります。
合皮の場合、合皮補修シートを貼り付けるだけで、簡単に補修ができます。一方、本革の場合、私達で手をつけるには高価な素材のため、必ず修理店へ張替えを依頼しましょう。
あくまでも補修は一時的なものです。最終的には革の張替えを行い、修理をする必要があります。依頼するまでの間、一時的な補修として合皮補修シートを使っていくのがポイントです。
張替え費用が心配なときは、合皮だと自分の手でDIY張替えができますし、座面のみ修理店へ送って、張替え作業はプロにお任せするサービスもあります。無理をせず、自分に合った方法で検討してくださいね。