ソファのパーツのなかで、最も使う頻度が高い「座面」。汚れや傷がつきやすく、ソファを購入して初めに修理を考える場所でもあります。
しかし、修理といっても、どういった内容で、費用はどれくらいかかるのか、全く想像もつかないですよね。
そこで、この記事では、どのような状態のソファが修理できるのか、4つのトラブル別に修理店の修理事例をまとめています。
記事の後半では、修理費用やDIYでの修理法も紹介しています。これから初めてソファの修理を考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
(トップ画像出典:https://www.pexels.com/photo/photo-of-people-sitting-on-couch-1484661/)
修理事例①座面がボロボロになったソファ
1つ目のソファの修理事例は、「座面がボロボロになったソファ」です。
特に、ご自宅でワンちゃん・猫ちゃんと生活していると、ソファが爪とぎとして使われてしまいます。
また、革製ソファをお持ちの場合、肌にふれやすい座面の革は、すぐに劣化しやすいですよね。
このように、座面がボロボロになってしまったソファは、古い生地を剥がして新しい生地を張りなおす、”張替え”で修理することができますよ。
革張りソファのクッションがつぶれ、シワだらけに。そのまま使い続けていたためか、シワの跡がしっかりついてしまいました。
さらに、体に当たりやすい部分は革が擦り切れていましたが、新しい革に張替えることで、新品のような、見違えるほどきれいなソファになりました。
(参考:家具クリニック「ソファの修理事例/case.001」:http://kaguclinic.net/%E4%BF%AE%E7%90%86%E4%BA%8B%E4%BE%8B/%E3%82%BD%E3%83%95%E3%82%A1%E3%81%AE%E4%BF%AE%E7%90%86%E4%BA%8B%E4%BE%8B/)
修理事例②座面がへたってきたソファ
へたったソファを半分だけお手入れしたところで力尽きた。お分りいただけ pic.twitter.com/4bmtuFN3k7
— さこ (@sakonora3) February 24, 2019
2つ目のソファの修理事例は、「座面がへたってきたソファ」です。
2人掛け以上の大きなソファを1人で使うと、どうしても”ソファの定位置”ができてしまうものです。同じ位置に何度も座り続けていると、次第に座面のクッションがへたってしまいます。
座面がへたると座ったときの弾力性が無くなって、リラックスできなくなります。また、ソファを使わないときも座面が沈んだままになるので、見た目が悪く、清潔感がなくなってしまいますよね。
このように、座面がへたってきたソファは、内部のクッション材を新しいものと取り換えることができますよ。見た目が新品同様になるので、お部屋の雰囲気も一気にリフレッシュできます。
座面のクッションが”おせんべい”のように、ぺたんこになってしまった布張りのソファ。内部のウレタンが剥きだしになった部分もあり、かなりひどい状態です。
ソファ全体のウレタン交換と、生地の張替えを行い、とても清潔感のあるソファになりました。
(参考:家具クリニック「ソファの修理事例/case.009」:http://kaguclinic.net/%E4%BF%AE%E7%90%86%E4%BA%8B%E4%BE%8B/%E3%82%BD%E3%83%95%E3%82%A1%E3%81%AE%E4%BF%AE%E7%90%86%E4%BA%8B%E4%BE%8B/)
修理事例③座面が汚れてきた革製ソファ
3つ目のソファの修理事例は、「座面が汚れてきた革製ソファ」です。
革製ソファは、布製よりも汚れがつきにくい素材ではありますが、白や水色のような明るい色のソファだと、座面の黒ずんだ汚れが目立ってしまいます。
上からラグやカバーをかけて、ごまかすことはできますが、革独特の触り心地が無くなってしまうと、ちょっとだけ勿体ない気もしますよね。
このように、座面が汚れてきた革製ソファは、”革のクリーニング”もしくは、”塗装”を行うことができます。
革の表面の塗装が剥がれてきたり、座面が黒ずんでしまった本革製の白いソファ。お客様はクリーニングを希望していましたが、革の表面の剥がれがあるため、塗装で修理を行うことに。
ソファの余分な油分を除去したあと、小さなキズや剥がれの修理を含めた塗装修理となりました。
(参考:ファニチャー リペア テーブル「karimoku ドマーニの革ソファー 表面の剥がれや汚れの修理」:https://tableinc.net/furniture/case/6620?select=%e5%ba%a7%e9%9d%a2%e3%81%ae%e3%83%98%e3%82%bf%e3%83%aa)
修理事例④座面に色あせがあるソファ
4つ目のソファの修理事例は、「座面に色あせがあるソファ」です。
濃い色の布製ソファを何年も使っている場合、生地の表面に摩擦が起きて、座面に色あせが出やすくなります。
また、革のソファの場合、直射日光が当たることが原因で、革の色が抜けたように変色することも。
このように、座面だけでなく、ソファに色あせが目立ってきた場合には、”張替え”もしくは”塗装”を行うことができます。
元々は濃いネイビー色の布張りのソファ。現在は色あせで青色がかなり抜けてきて、落ち着いた黄緑色や、グレーのソファにも見えます。ソファの背には、レース生地をかけていたようなくっきりとした跡も見られます。
新しい生地は水色のパステルカラーで張替えたため、以前よりも色褪せによる色味の変化が少なくなりそうです。
(参考:家具クリニック「sofa/case.023」:http://kaguclinic.net/%E4%BF%AE%E7%90%86%E4%BA%8B%E4%BE%8B/%E3%82%BD%E3%83%95%E3%82%A1%E3%81%AE%E4%BF%AE%E7%90%86%E4%BA%8B%E4%BE%8B/)
ソファの座面修理では、座り心地の調節もできる!
ここまで、ソファの座面修理事例を4通りご紹介しましたが、”張替え”と”クッション材の交換”の際には、修理と同時にソファの座り心地を調整することができます。
ソファの内部には、スポンジのような「ウレタン」という素材が入っていますが、使うウレタンの硬さ・種類によって、座り心地を変えることができるんです。
そのため、修理を依頼する際には、ソファの座り心地についての要望を職人さんへ伝えてみましょう。実際に、座り心地についての要望を伝えた方は、以下のような条件で相談していたようですよ。
そのうちの一社と 電話で相談を重ねました。
ふかふかしすぎず
ある程度の固さがあり
安っぽくないすわり心地で
すわり癖がすぐにつかず
何年かは 気持ちよく使え
新しいソファを買いなおせるような経費のかからないもの。ウレタンのタイプを3つに絞り込んでいただき 届いたサンプルです。
(出典:https://plaza.rakuten.co.jp/guricafe/diary/201504210000/)
このように、かなり細かい要望でも、色々なウレタンを組み合わせながら、最適なクッション材を提案していただけるようですね。
今のソファの座り心地から「もう少し硬めにしたい・柔らかめにしたい」などがあれば、職人さんへ伝えてみてください。
ソファの座面修理をプロへ依頼する費用
ソファの座面修理の内容は分かりましたが、実際にどれくらいの費用がかかるのかも気になりますよね。
今回ご紹介した4つの修理事例でどれくらいの費用が必要なのか、参考までに、修理店で「参考料金」として紹介されている費用をご紹介します。
修理内容 | 参考料金 |
張替え(全体を革で張替えた場合) |
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クッション材の交換 | 9,000〜50,000円 |
革のクリーニング |
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革の塗装 |
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(参考:https://tableinc.net/furniture/price)
このほかに、工場までの送料などが追加で必要になります。予算は少し多めに考えておくと安心ですよ。
ちなみに、DIYで座面の修理はできるの?
ここまで、プロへ座面の修理を依頼する場合についてご紹介しましたが、DIYで自分で修理ができれば、修理費用もお得になって助かりますよね。
DIYで座面の修理を行うことは可能ですが、以下のように「DIYできる修理」と「DIYできない修理」とがあります。
- 張替え・・・DIY修理ができる
- クッション材の交換・・・DIY修理ができる
- 革のクリーニング・・・DIY修理はできない
- 革の塗装・・・DIY修理ができる
また、DIY修理ができる場合でも、DIYには対応していないソファの種類があります。作業を行う前に必ず確認しておきましょう。
張替え
ソファの張替えは、DIYで修理ができます。ただし、ソファが布製・合皮製の場合のみです。
本革製のソファは、DIYで張替えができません。本革自体が高価で、取り扱いも難しい素材のためです。自分でなんとか張替えをしようとせず、プロへ張替えを依頼するほうが安心ですよ。
クッション材の交換
クッション材の交換も、DIYで修理ができます。座面のクッションによく使われている「ウレタン」は、ホームセンターやネット通販で入手することが可能です。
ウレタンをネット通販で購入する場合は、サンプルを取り扱っている店舗を選びましょう。実際に触って、素材ごとの弾力性を確認することができますよ。
革の塗装
革の塗装も、DIYで修理ができます。ただし、張替えの修理同様、本革製のソファはDIYで塗装ができません。
合皮製のソファであれば、「サフィール」というメーカーの革用補修クリームで、表面に色をつけることができます。黒ずみを消すことは難しいかもしれませんが、色あせた合皮であれば、うまく元通りになりますよ。
DIYで座面を修理する手順・道具
ここからは、実際にDIYで修理する手順や、必要な道具についてご紹介します。
DIYで張替える方法
クッションタイプのソファで、座面の取り外しができるなら、新しい生地でカバーを作れば、DIY張替えが簡単です。
- 新しい生地
- クッション材
- 定規
- はさみ
- まち針
- ミシン
- 生地に座面の型をとり、カットする
- ミシンで生地を縫って、カバーをつくる
- クッション材をカットする
- カバーを裏返して、中にクッション材をつめて、完成!
クッション材をDIYで交換する方法
張替えと同じく、座面がクッションタイプのソファであれば、簡単にウレタンを交換することができますよ。
- ウレタン
- ボンド
- 油性ペン
- はさみ
- カッター
- 古いウレタンを取り出す
- ウレタンを座面のサイズにカットする
- ウレタンが複数枚ある場合は、ボンドを塗って貼り合わせる
- はみ出たウレタンをカットする
- カバーの中にウレタンを入れて、完成!
合皮のソファをDIYで塗装する方法
合皮の塗装に使う、サフィールの補修クリームは、複数の色を絵の具のように混ぜることができます。ソファの色に合わせて、色を調整してみてくださいね。
- 布
- サフィール補修クリーム
- ビニール手袋
- ソファ表面の汚れをおとす
- 混色が必要な場合は、あらかじめ補修クリームの色を混ぜておく
- 補修クリームを塗る(クリームが手に付いても石鹸で落ちます)
- 表面をしっかりと乾かして、完成!
思い入れのあるソファはプロへ修理の依頼をしよう!
ここまで、DIYでの修理方法・プロの修理事例をご紹介しました。
あなたがもしも、どちらで対処すべきか迷っているときには、ソファの愛着度で判断してみましょう。
- 両親から譲り受けたソファ
- 長年ずっと使ってきて、ソファ自体に思い入れがある
- 有名ブランドのヴィンテージソファ
このようなソファをお持ちの場合は、自分で修理しようとせず、プロへ修理を依頼するほうがおすすめです。
プロへ修理を依頼すると、依頼されたソファの修理はもちろんですが、ソファ自体のメンテナンスも行ってくれます。
これからも長くソファを使っていきたい場合は、修理と同時にメンテナンスもできる、プロへの修理依頼がとてもおすすめですよ。
まとめ
今回は、ソファの座面のトラブルごとに、修理店の修理事例・修理費用についてご紹介しました。
座面修理の内容によっては、クッション材の座り心地を細かく調整することが可能です。今の座り心地からもう少し硬めにしたい・柔らかめにしたいなどがあれば、修理依頼と同時に、職人さんへ相談してみてくださいね。
なかには、DIYで修理ができる内容もありますが、愛着のあるソファ・高価なブランドのソファなどは、自分で修理しようとせず、初めからプロへ修理を依頼しましょう。
プロへ修理を依頼すれば、修理と同時にソファのメンテナンスも行います。きっと、あなたの大切なソファも長持ちしてくれるはずですよ。