枕を長く使っていると、使い心地が変わってきてなんとなく「そろそろ寿命かな?」と思うことはありませんか?
しかし、具体的にどのような状態が寿命であり、買い替えどきなのか、悩むこともあるでしょう。
そこで今回は、寿命を超えた枕を使い続けることが体にどのような悪影響を与えるのか、また、素材別に枕の寿命の目安や買い替えどきについてご紹介します。
ぜひ最後までご覧いただき、次の睡眠のパートナーとなる枕を見つけるための参考にしてくださいね。
枕の寿命の目安とは?
まず、枕の寿命は、枕そのものの素材によって大きく左右されますが、短いもので1年、長くても5年が限度です。
これを知って、「思ったよりも、もたないな」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
実は、大手寝具メーカーの西川のホームページには、枕の寿命について以下のように記載されています。
人の頭の重さは、全体重の約8%を占めるといわれています。その重さを毎晩支えているために、少しずつ中身がへたって高さが低くなったり、固くなったり、枕は意外と寿命が短いものです。
耐久性、衛生面を考えると、適切な時期での枕のお買い替えも快適な眠りのための重要なポイントです。
引用(ふとん・寝具の西川 枕の寿命は?):https://www.nishikawa1566.com/column/bedding/20180211200000/
もしも、あなたが寿命を超えた枕をこれまで使用し続けていたのなら、快適な睡眠が阻害されている可能性があります。詳細は次の章をご確認ください。
寿命を超えた枕を使い続けるとどうなるか
では、寿命を超えた枕を使い続けた場合、どのような悪影響が発生するか、下記にまとめました。
- 汚れが蓄積し、不衛生になる
- 高さが変わり、寝心地が悪くなる
- へたるので体に合わなくなり、寝返りしずらくなる
汚れが蓄積し、不衛生になる
人の身体は、寝ている間にコップ一杯分の汗をかくと言われています。特に、頭皮は汗をかきやすいため、枕は就寝中の汗汚れが蓄積しやすいのです。
また、ほこりやダニなどの汚れも枕にはよく付着するため、見た目はきれいに見えても、枕の内部にはこれらの汚れが蓄積することになります。これらの汚れが洗濯で完全に除去されることは難しいです。
その結果、寿命を超えた枕は不衛生なものになりやすく、枕についたほこりやダニを吸い込むことによって起こる喘息、汚れに頭を密着させることによる頭皮の荒れを招く危険性があります。
高さが変わり、寝心地が悪くなる
枕を長く使用していると、頭の重みで枕がへこんでしまいます。それによって高さが変わり、買った時よりも寝心地が悪くなることがあるのです。
寝心地の悪さは睡眠の質に直結します。質の悪い睡眠は、寝ても疲れが取れにくい現象や、肩こりの原因となるのです。
へたるので首に負担がかかる。また、寝返りもしにくくなる
寿命を超えた枕は、へたりによって体に合わなくなります。その結果、寝ている間、無意識のうちに首に負担がかかってしまった結果、首周りの筋肉の緊張に伴う頭痛を招きます。
また、寝返りがしにくいことによって睡眠中の血行が悪くなり、人体の体温調整が阻害された結果、冷え性や腰痛の原因にもつながるのです。
枕の寿命を知るために、まずは素材を確認してみよう
まずはあなたがいま使っている枕について、素材を確認してみましょう。枕についた表示タグに注目すれば、枕の素材はすぐに把握できますよ。
もし、表示タグが見つからなければ、枕を購入してからの年数を思い出してみましょう。
目安として5年以上経っていれば、残念ながら素材によらず、寿命を迎えている可能性が高いです。
次の章では各素材別に、寿命の目安と特徴、買い替えどきのサインについて詳細に解説します。
そばがら枕の寿命の目安と特徴、買い換えどき
そばがら枕の寿命の目安は1〜2年です。素材の特徴として、通気性と放湿性に優れています。
日本では昔から枕に愛用されてきた素材であり、近年では天然素材という理由で好まれることもあるようです。
収穫した蕎麦から実を取り出した殻を乾燥させたものなので、枕として長く使用していると殻が割れてしまいます。
その結果、粉状になったそばがらが枕から出てくることがあるため、そのような状態になった際は、買い替えどきが来たと思いましょう。
低反発(ウレタン)枕の寿命の目安と特徴、買い換えどき
低反発枕の寿命の目安は、3~5年といわれています。手で押すと指の形が残るほどの、包み込まれる感触が特徴です。
どんな頭の形でもフィットし、形が柔軟に変わることで頭への負担を減らしてくれる反面、温度の影響を受けやすく、寒い時期には固くなることが弱点となります。
長く使い続けることで、低反発の特徴が弱り、押し込んだ後の形の戻りが悪くなる時期が来ます。
その結果、買った時のような包み込まれる気持ちよさが薄れてしまうので、それに気づいた時が買い換えどきです。
ポリエステルわた枕の寿命の目安と特徴、買い換えどき
ポリエステルわた枕の寿命の目安は、1~3年ほどです。その特徴は、柔らかさと弾力性によるボリューム感でしょう。
また、通気性にも優れ、丸洗いできることや、化学繊維性のため、カビや虫によるアレルギーのリスクも少ないです。
しかし、ポリエステルわたは、使用を重ねると段々とへたり、特徴である弾力性が失われていきます。
買った時よりもボリュームがなくなり、弾力性が無くなったなと感じた時が、買い換えのタイミングとなります。
羽根、羽毛枕の寿命の目安と特徴、買い換えどき
動物の羽根、羽毛が入った枕の寿命の目安は2~4年ほどであり、その特徴は、心地よい柔らさによるふんわりとした感触です。
材料の羽根や羽毛は、水鳥のものを使用しているため、通気性と保湿性がよく、夏は熱がこもりにくく、冬は暖かい特性も備えています。
ただし、天然素材のため、アレルギーが起こるリスクがあることと、中身の羽根や羽毛がきめ細かいため、使い続けると枕から飛び出ることもあります。
そのため、朝起きて枕の周りに細かい羽根羽毛が漂い、それが気になり始めたら買い換えましょう。
パイプ・ビーズ枕の寿命の目安と特徴、買い換えどき
枕の中にポリエチレン性の細かいパイプやビーズが詰められた枕の寿命の目安は、約5年です。耐久性が高く、これまで紹介した素材の中では最も長持ちします。
また、素材の特性上、熱がこもりにくいため蒸れて暑いといった不快感を感じにくく、季節や環境に左右されない使い心地の変わらなさが特徴です。
ただし、そんなパイプやビーズが詰まった枕も、使い続けることで中身が少しづつ潰れ、枕のもつ柔軟性が失われていき、硬さが際立っていきます。
「以前よりも、頭を乗せたときの感触が硬くなったかな」「横向きに寝た時に、耳が痛いな」と感じた場合は、買い換えどきです。
枕の寿命を延ばす方法とは?
せっかくであれば、自分の体に合った枕は長く使い続けたいものですよね。そこで、枕の寿命を延ばす簡単な方法を、3つご紹介します。
- 枕を使い終わったら通気性が良い場所に干しておく
- 洗える素材の枕は洗濯する
- 枕カバーを被せる
枕を使い終わったら通気性が良い場所に干しておく
枕には汗による湿気が溜まりやすく、使用後にそのまま布団の上で放っておくと、カビの原因になります。
そのため、起床後は布団と枕を離し、枕を通気性の良い場所に干しておきましょう。
これによって、枕に溜められた湿気を除去することができますよ。
洗える素材の枕は洗濯する
枕には汗や頭皮の脂分などの汚れが付着しやすいため、使用後に放っておくと汚れが蓄積し、不衛生と痛みの原因になります。
そのため、洗うことができる枕は、可能な限り洗いましょう。洗濯可能かどうかは、枕の素材を確認した際の表示タグに記載されていますよ。
枕カバーを被せる
枕はそのまま使用せずに、枕カバーを被せて使いましょう。これによって、汚れはカバーが受け止めてくれるので、枕の本体が汚れることを抑えてくれます。
また、カバーは、枕本体が何らかの外傷で傷つくことや、頭との摩擦で中身を覆っている布が擦れるといったトラブルを未然に防いでくれますよ。
まとめ:快適な睡眠のために、まくらの見直しを検討しませんか?
人間は、24時間のうち、約8時間睡眠すると仮定した場合、人生の1/3は寝て過ごしています。
そのため、寿命を迎えた枕を使い続けることで質の良い睡眠ができていない状態は、人生の1/3を損しているとも言えます。
もしもあなたの枕が寿命を迎えていたならば、快適な睡眠を送るために枕の見直しを行いませんか?下記のリンクから、あなたが気に入る新しい枕がきっと見つかるはずですよ。
この記事が、あなたの快適な睡眠のお役に立てたのならばうれしいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。