毎日座っていれば椅子のきしみは、気になってきますよね。
ギシギシとうるさいですし、食事や作業中に揺れてしまうと気が散ってしまいます。
今回の記事では椅子のきしみ修理をDIYで行う方法を紹介しています。
きしみが生じる原因、脚の長さの違いによるタイプと木の接合部分の緩みから生じるタイプの2つ挙げて、それぞれの修理方法を解説しています。
ぜひ最後まで目を通してください。
椅子のきしみを自分で修理するメリット・デメリット
まず、椅子のきしみを自分で修理するメリットとデメリットを紹介します。
- メリット:修理代が安く済む。修理が終わったらすぐに使うことができる。
- デメリット:修理に手間がかかる。失敗する可能性もある。
椅子のきしみを自分で修理するときのメリットは、修理代が安く済むことです。修理業者に頼むとどうしても高くなります。
デメリットとしては、DIY初心者であるほど、修理に手間がかかったり、失敗したりする可能性があることです。
しかし、椅子のきしみの程度が初期段階であるほど、修理業者に頼む必要のない場合も多いので、きしみの程度がひどくなる前に早めの修理をしておきましょう。
海外製の椅子は特にきしみやすい
大した使っていない椅子でもきしみが生じてしまうことが多いのは、輸入物。なぜなら、使用されている木材が日本の気候とマッチしていないことがあるからです。
例えば、アメリカ製の椅子は、当然アメリカ産の木からできています。アメリカの西海岸の気候は、年間最低気温が20度を上回り、平均降水量は雨期でも50mm程度のカラカラの地域です。
そんなところで生産された椅子は、夏は暑くて湿度が高く、一方で冬は寒く乾燥する日本の気候には合いません。湿度のある夏と乾燥した冬の季節が来るたびに、木材は膨張と収縮を繰り返します。
木の膨張と収縮を繰り返すことで、例えあまり使っていない椅子であってもきしむことがあるのです。
椅子のきしみのチェック方法
最初に、椅子のきしみのチェック方法について紹介していきます。ポイントは4つあります。
きしむ場所を正確に知っておくことで、椅子を分解する箇所や補強する箇所を見定めて、作業時間を少なくすることができますよ。
- 椅子の脚に不均衡さはないか
- 背もたれを前後方向に動かす
- 前脚を横方向に動かす
- 前脚を前後方向に動かす
1番目の椅子の脚の不均衡さについてですが、平らな床面に置いて確認しましょう。どれか一本でも脚の長さが微妙に違うだけで、きしみが生じる原因となります。
2〜4番目のポイントは、動画で実際のやり方が示されていたので是非参考にしてみてください。
動画タイトルは、「ダイニングチェアのぐらつきのチェック方法」となっていますが、きしむ原因の一つに、脚の接合部分の緩みがあるため、ぐらつきのチェック方法を同じやり方でも大丈夫です。
接合部分に対して、前後左右に揺らすことで、きしむ音が鳴るのですぐにわかると思います。
【脚長の不均衡さ】椅子のきしみ修理方法①脚の長さチェック
最初に、椅子の長さの不均衡さが原因で、椅子がきしむ場合の修理方法について説明していきます。手順は、以下の通りです。
- 平らな床か、窓ガラスに対して垂直に椅子の脚を当てる
- 床面(窓ガラス面)に対して、浮いている脚を確認する
どの脚がすり減っているのかを、正確に知る必要があります。そのためには、平らな床に椅子を置いてガタツキがないかを確認しましょう。
床面がデコボコしている時には、窓ガラスに対して、直角に当て、4つの脚の長さをチェックするのもおすすめです。
【脚長の不均衡さ】椅子のきしみ修理方法②やすりがけ
次に、やすりがけをする工程になります。手順は以下の通りです。
- 長さの異なる脚に対し、粗めに紙やすりで研磨する
- 他の脚と同じ長さになってきたら、細めの紙やすりで仕上げする
すり減っている脚に目星をつけ、紙やすりを使用して、椅子の脚を研磨していきます。
削り時は、一気に削るのではなく、ちょっと削っては床面において、きしみを確認。ちょっと削っては確認を繰り返しましょう。削りすぎた脚は元に戻らないため、慎重に削っていきます。
研磨する最初は、80番程度の粗めのやすりを使用して大まかに削ります。その後、320番程度の細めのやすりを使うと、小さな毛羽立った木材の表面をならすことができますよ。
【接合部分】椅子のきしむ修理方法①4隅の当て木を外す
今度は、椅子の接合部分が原因で、椅子がきしむ場合の修理方法について説明していきます。最初に、椅子座面の4隅の当て木を外す手順は以下の通りです。
- 座面を取り外す
- 4隅の当て木を外す
座面の裏面を見るとネジか釘で固定されていることが多いです。ネジであればドライバーを使って、釘であれば釘抜を使って丁寧に座面を取り外しましょう。
座面を外したら見える4隅のそれぞれの角には、当て木があります。それを外していきましょう。当て木は、ネジ、釘、ボンドで止めてあるものがあります。
ボンドの場合は、湿気を含むと溶ける性質を生かし、スチームを当てて溶かしていきましょう。
【接合部分】椅子のきしみ修理方法②椅子の分解
当て木を外したら、椅子の分解作業に入ります。なお、接合部分が全てネジで固定されている場合は、ドライバーでネジの緩みを絞めれば完成します。
ネジだけでなく、ダボ(ドリルで穴をあけ木材同士をつなぎ合わせる際に用いられる木材)を使っている場合の手順は以下の通りです。
- ダボで接合されている部分のきしみを確認
- 接合部分をショックレスハンマーで分解
ダボで接合されている部分を全て外すと、あとで組み立てるのが大変になるので、きしんでいる箇所のみで大丈夫です。
接合部分を外すときは、直接木を叩いても傷つかないようにショックレスハンマーで優しく分解しましょう。
ゴムやプラスチック製のハンマー。直接木を叩いても、木が割れにくく、叩いた衝撃の跳ね返りも少ないです。
使い方のポイントは、木の面に対して、垂直に叩くこと。やってはいけない叩き方は、木の角を叩くことです。
なぜなら、ショックレスハンマーであっても、面積が小さい角を叩いてしまうとその箇所に圧が集中してしまい、凹んでしまうからです。
【接合部分】椅子のきしみ修理方法③接合部分の接着
椅子を分解した後は、組み立てを行います。組み立ての最初として、接合部分を接着させる手順は以下の通りです。
- 古いボンドを削ぎ落とす
- ボンドを接合部分に塗る
- 接合部分を組み合わせる
前からついていたボンドを金属のヘラで削ぎ落としましょう。古いボンドがあると、接着強度が落ちるので、せっかく組み直してもすぐにガタガタしてしまいます。
その後、木工用ボンドを木の接合面とダボの穴に塗ります。ボンドが乾かないうちに素早く組み立てましょう。この時は、まだギッチリ固定しなくて良いです。
【接合部分】椅子のきしみの修理方法④椅子の固定
最後に、組み立てた椅子をしっかり固定する仕上げ作業があります。手順は以下の通りです。
- ショックレスハンマーでしっかり接合部分をはめこむ
- ハタガネを使って接合部分を圧着
椅子を組み立て後は、ショックレスハンマーで接合部分をぴったりはめ込んでいきます。この時、強く叩くのではなく木が割れないように、数回に分けて押し込んでいきましょう。
ボンドの接着力をアップさせるために、ハタガネを使って、固定をしていきます。少なくとも1日以上放置してしっかり圧着させましょう。
ハタガネとは、固定させたいものを固定したり、物を接着する場合に長い間しっかり固定する場合に使う締め具のことです。
まとめ
今回の記事では、椅子を自分で修理するメリット・デメリットや、椅子のきしみを自分で修理する方法についてまとめました。
椅子のきしみには、脚の長さの不均衡さで生じるタイプと椅子の接合部分のゆるみから生じるタイプの2種類が大きく分けて考えられます。
どちらの方法でも、椅子のきしみ初期の段階であるほど、修理も簡単に済みます。普段使っている椅子に異変を感じ始めたら早めの対処を試みてくださいね。