「天童木工の椅子は高級らしい。でも、一体どんなメーカーなの？」と気になったあなたは、いいセンスをお持ちなのかもしれません。
インテリアショップでもよく見かける天童木工（てんどうもっこう）の椅子は、どこか日本らしさを感じさせる和モダンなデザインが目を引きますね。
今回は、高級家具メーカー「天童木工」について詳しく知りたい方のために、天童木工の歴史やこだわり・有名な椅子についてご紹介します。
（トップ画像出典：https://picjumbo.com/man-reading-a-book-in-a-chair/）
高級椅子メーカー「天童木工」とは？
天童木工（てんどうもっこう）は、山形県天童市にある1940年から続く老舗の家具メーカーです。
山形県天童市は木工の町。将棋の駒（こま）が伝統工芸品として有名です。きっと、職人気質な人達が多いからこそ、品質の高い家具が製造できるのでしょう。
天童木工はこれまで、様々なデザイナーと共に世界的に有名な製品を作り上げてきた歴史があり、現在は皇室・県庁・美術館への家具も製造しています。
昭和の時代から長年にわたり、多くの人に信頼されてきた家具メーカーなんですね。
成形合板の加工が得意。天童木工の４つのこだわり
天童木工が有名になったきっかけは、成形合板を取り入れた家具を作ったことからでした。日本で初めての技術を取り入れたことで、各地から注目されたようです。
天童木工のロゴマークである「)(」も、よく見ると、成形合板をモチーフにしています。
成形合板とは、厚さ1mmほどの薄い板を、接着剤を使って木目が交差するように何枚も重ねて、圧力・熱を加えてできた板のことをいいます。
天童木工では成形合板を作る作業を、職人が全て手作業で行っているんですよ！
そんな天童木工には、大切にしている「4つのこだわり」があります。
強さ
成形合板は１枚板と比べて、強度があります。強さといっても、ただ硬いだけの強さではなく、しなやかに衝撃を吸収する強さです。天童木工では強度の試験を何度も繰り返しています。
美しさ
成形合板で家具を量産するだけでなく、どうすれば美しくできるのか、天童木工はデザイナーと共に考えてきました。そのために職人は、高度な技術を持ち合わせています。
軽さ
掃除をするときや座るときなど、椅子は普段から動かすことが多い家具ですよね。天童木工では強度のある成形合板を使うことで、椅子に使用する木材が少なくなり、結果的に軽量化ができます。
手触り
天童木工は美しさのなかでも手触りには一段とこだわっています。塗装を塗ったり磨く回数は、あなたが購入する椅子と皇室で使われる家具とで違いはありません。
このように、購入した椅子を「ずっと使い続けたい」と思えるようなこだわりが、天童木工にはあるんですね。
メーカーで選ぶなら天童木工。高級椅子の種類が充実
高級椅子といっても、自宅に置けないようなデザインだと購入までは考えづらいですよね。
日常使いできて、なおかつ品質が高いのが天童木工です。日本の家にも合う和モダンなデザインだからこそ、ここまで愛されているのかもしれません。
天童木工では椅子の種類も充実しています。高級家具メーカーではあまり見かけない、子供向けの椅子もありますよ。
- スツール・キッズチェア
- 座椅子
- パーソナルチェア
- チェア
- ソファ
次の項目からは、それぞれの椅子について、人気な椅子や有名な椅子を詳しくご紹介していきます！
高級椅子メーカー天童木工の「スツール・キッズチェア」の例
まずは、天童木工で作られている高さの低い椅子のなかから、人気でオススメしたい椅子を２点ご紹介します。
バタフライスツール
「天童木工といえば、バタフライスツールがまず浮かぶ」というほど、人気の椅子です。世界的に有名な柳宗理がデザインしており、名前の通り、蝶が飛んでいるような見た目をしています。
曲線美の美しさから、数々の美術館で収蔵されているスツールです。
キッズチェア
天童木工のキッズチェアはただの椅子ではありません。継ぎ目がない１枚の成形合板からできた椅子は、汚れがちな子供の椅子もお手入れが簡単にできます。
机としても使えるので、子供の想像力を育てられる、素晴らしいデザインの椅子です。
高級椅子メーカー天童木工の「座椅子」の例
天童木工では座椅子も有名です。座椅子というと、デザインにこだわる方は少ないと思いますが、これからご紹介する椅子を見れば、天童木工でロングセラーになる理由が分かると思います。
低座イス
座椅子に見えないデザインの低座イスは、ジャパニーズ・モダンデザインで有名な長大作が手がけた名作の椅子です。
和室に溶け込むデザインは、数々の工夫がされています。脚の形状は畳が傷まないように、ソリのような形になっているのが特徴です。
スポークチェア
コロンとした形状が可愛らしいスポークチェア。どこか日本らしさを思わせるデザインは、豊口克平が手がけた代表作の椅子です。
彼が自ら欲しいと思った椅子をデザインしたそうで、座面が広く、あぐらをかくことができることから、別名「あぐら椅子」とも呼ばれています。
高級椅子メーカー天童木工の「パーソナルチェア」の例
パーソナルチェアとは、リラックスしてくつろぐための椅子です。天童木工では椅子の素材からリラックスできたり、椅子の形からリラックスできるものがあります。
柏戸イス
美しい木目が特徴の柏戸イスは、積み上げた木材を職人が一つひとつ削り上げてできています。手でなでるだけでもリラックスできそうなパーソナルチェアですね。
元々は、山形県の名力士・柏戸の横綱昇進を記念して作られたとあって、迫力のある見た目には納得です。
ハイバックチェア
一目見ただけで座ってみたくなるハイバックチェアのデザインは、スウェーデンのブルーノ・マットソンがデザインしました。
畳やフローリングを傷つけない脚のデザインは、日本好きの彼だからこそ手掛けられた一品です。
高級椅子メーカー天童木工の「チェア」の例
ただ単にチェアといっても、一つひとつこだわっているのが天童木工です。それぞれの椅子に対する職人のこだわりを見てみましょう。
アームチェア
まるで鹿の角のようなY字型に伸びるフレームは、木製テニスラケットにも使われている「コマ入れ成形」という加工技術が使われています。
美しさだけでなく、強度もしっかり備えたアームチェアは、ダイニングチェアとして長く使えるデザインです。
チェア
一見折り紙のようなデザインの椅子は、成形合板だからこそ実現できた形です。
硬そうなイメージがありますが、実際に座るとクッション性があります。成形合板ならではのしなやかな座り心地で、見た目以上に使いやすいチェアです。
高級椅子メーカー天童木工の「ソファ」の例
天童木工では、ソファも取り扱っています。見るだけでも柔らかさが伝わってくる天童木工のソファから、人気のソファを２点ご紹介します。
ソファ
すっきりと見える美しい脚は、強度のある成形合板ならではのデザインです。クッションのボリュームを多くすることで、脚が細くても全体的にバランスがとれています。
シートの高さが380mmと低めのこちらのソファは、ダイニングソファとしてぴったりです。
ソファ
クッションの形が特徴的なソファは、柔らかなデザインの見た目通り、身体をしっかり包んでくれる構造です。
「美術館のような上質な空間」をテーマとして作られており、ゆっくりとした時間を過ごしたい方にはぜひおすすめしたいソファです。
天童木工は類似品に注意！見分け方を紹介
天童木工は人気の高級家具メーカーのため、類似品が多いことに注意しなければいけません。
特に、天童木工で一番有名なバタフライスツールは類似品が多いようで、公式サイトでも注意を促しています。
類似品と見分けるには、「天童木工」と書かれた金属プレートが打ち付けられているか確認しましょう。
プレートが見当たらない場合は、焼き印がないか確認してみましょう。以前は木のフレーム部分に焼き印を押していましたが、”時間が経つと消えてしまう”という点から変更されています。
まとめ
世界中で古くから愛されてきたデザインの椅子は、一度は手に入れたいですね。
こだわり派のあなたには、常に技術を磨き続けて品質には決して妥協をしない、日本メーカーの「天童木工」を選ぶのがおすすめです。一度手に入れれば職人の家具に対する情熱が、触れただけでも伝わるはずですよ。
もちろん、購入後に修理を依頼することもできるので、購入した椅子が”一生モノ”になることは間違いありません。
今回ご紹介した椅子のなかで気になった椅子があれば、近くのインテリアショップで座り心地を確かめてみてくださいね。
