ハーマンミラー社の代名詞とも言われる「アーロンチェア」。人体の運動理論に基づいてデザインされた高機能ワークチェアは、全世界で約750万台以上の販売実績も残しています。
“世界最高峰のオフィスチェア”とも称されるアーロンチェアですが、「どんな機能を持った椅子なの?」「選ぶときのポイントは?」など、気になることも多いのではないでしょうか?
そのような疑問にも応えながら、アーロンチェアの特徴を分かりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/オフィス-仕事-デスク-932926/)
ハーマンミラー社の代名詞「アーロンチェア」の人気の理由
1994年の発売以来、世界各国で人気を集める「アーロンチェア」。ワークチェアを探していると、必ずと言うほど目にするような有名なチェアです。
価格はおおよそ10〜30万円と決して安くはありませんが、それでも人気を集めるのには以下の3つ理由が挙げられます。
- 人間工学(エルゴノミクス)を駆使した健康面に優れた設計
- 継続的な使用に応える長期保証
- 国内外で高評価を受ける洗練されたデザイン
この3つのポイントを踏まえながら、アーロンチェアの魅力に迫っていきたいと思います。
ハーマンミラー社の技術を集結。アーロンチェアの進化の軌跡
抜群の知名度があるアーロンチェアですが、「名前は知っているけど、どんな椅子なのかはよく知らない」という方も多いかと思います。
魅力を紹介していく前に、まずはアーロンチェアがどんな製品なのか簡単に紹介します。
アーロンチェアは、アメリカの工業デザイナーであるドン・チャドウィックとビル・スタンフによる共作。
1984年の「エクスチェア」以来の共作で、世界で初めてシートクッションを取り除き、メッシュ素材を採用したことでも知られています。
発売当時のモデルは、腰椎をサポートするクッションが付いた「ランバーサポート」のみの展開でしたが、2001年には骨盤の中核・仙骨を支える「ポスチャーフィット」を開発して特許を取得。
この仙骨をサポートするデザインは、以降のハーマンミラー社の製品において重要となるポイントです。
その後も利用者の声を聞きながら改良を繰り返し、2016年には完全新作の「アーロンチェア リマスタード」を発売。
全てのパーツを一から作り上げ、世界各国の人種の統計を取り直すなど、現代のニーズにフィットしたチェアとなっています。更なる座り心地を求めて進化を続けるのも、ハーマンミラー社の魅力です。
アーロンチェアの魅力とは?作業の効率化を促す主な3つの性能
この章からは、アーロンチェアの魅力について紹介していきます。
アーロンチェアの魅力と言えば、何と言っても満足度の高い座り心地。
様々な機能を持ち合わせる高機能ワークチェアですが、特筆すべきは以下の3つのポイントとなります。
- 快適な座り心地を生み出す「8Zペリクルサスペンション」
- 背骨や腰への負担を減らす「ポスチャーフィット」
- 座る人の動き・体にフィットする「チルトメカニズム」
このような3つの機能を備えていることから、長時間の作業をしても疲れにくい仕様となっています。
アーロンチェアの核となる部分でもあるので、次の章から詳しく解説していきます。
①快適な座り心地を生み出す「8Zペリクルサスペンション」
1つ目に紹介する「8Zペリクルサスペンション」は、オリジナルの素材を使って座面の4箇所・背面の4箇所を「やわらかい」「ほど良い」「かため」と、ゾーンごとに張力を変えた機構。
“メッシュ素材=座り心地が悪い”とイメージする方も多いですが、張力が異なる8つのゾーンによってしっかりと体をサポートしてくれます。
若干お尻の部分が窪むようなフィット感で、血流を停滞させる圧力を取り除いているのも特徴の1つ。メッシュ素材ということもあり、蒸れやすい夏場でも快適に過ごせるのは魅力的です。
尚、使い込むことで座り心地は良くなっていきますが、新品の状態のときは少しかために感じるかもしれません。アーロンチェアと言えど相性もあるので、1度座り心地を試してみるのがおすすめです。
②背骨や腰への負担を減らす「ポスチャーフィット」
2つ目に紹介する「ポスチャーフィット」は、背部にある調節可能な個々のパッドが、仙骨の安定や脊柱の腰部をサポートする機能。
アメリカの有名な整形外科医とハーマンミラー社が協力して作り上げたもので、特許も取得しているオリジナルの機能となります。
最新の「アーロンチェア リマスタード」には、仙骨と腰椎の両方をカバーする「ポスチャーフィットSL」を採用。背部を包括的に支えることで、長時間座っていても負担が掛かりにくい仕組みとなっています。
尚、猫背になると背骨や腰に負担が掛かり、悪い姿勢は集中力の低下も招きます。このような問題を解消してくれるのが、ポスチャーフィットの大きな魅力です。
③座る人の動き・体にフィットする「チルトメカニズム」
3つ目に紹介する「チルトメカニズム」は、座る人の重心に合わせて滑らかに動くリクライニングの機構。
まるで自身の体に背もたれが付いているような感覚で、どのポジションに移動するにもバランス良くかつスムーズに稼働してくれます。
また、背もたれの角度を前に動かす「前傾チルト」という機能もあり、手を前に出して作業するときも骨盤から背骨を立たせて直立姿勢を取ることができます。
人間は手を前に出すと4〜5°ほど前傾し、猫背になって体への負担も増えるので、特にパソコン作業や絵描きをする方は前傾チルトが上手くサポートしてくれるでしょう。
長期利用も安心!ハーマンミラー社の多くの製品が12年保証
多機能を備えるアーロンチェアですが、長期的な利用を考えた場合、保証期間や耐久性も気になるかと思います。
ハーマンミラー社の多くの商品は、12年の保証期間(ガスシリンダーは2年)を設けていて、他のメーカーと比べても圧倒的な長さとなります。
“保証期間が長い=壊れやすい”という訳ではなく、耐久性に優れているのもハーマンミラー社の魅力。
例えば、座面に150kgの重りを10万回落とす耐久テストも行われていて、耐荷重も159kg(Aサイズは139kg)を想定。保証の長さと頑丈さを考慮すると、安心して長く利用できると言えるでしょう。
イレギュラーな動作によって故障した場合、保証の対象外となってしまいます。
保証を受けるためには要件を満たしている必要があるので、購入を検討している方は事前にしっかりと確認しておきましょう。
世界のニーズに応えるハーマンミラー。チェアのサイズは3種類
ハーマンミラー社がアメリカの家具メーカーと言うこともあり、「日本人の体格に合わないのでは?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?
先程も紹介したように、アーロンチェアは日本人を含めた様々の人種の統計からデザインされています。
尚、アーロンチェアには「A(スモール)」「B(ミディアム)」「C(ラージ)」の3種類があるので、自身の体格に合わせて選択するようにしましょう。
- A(スモール):165cm以下の女性や小柄な男性
- B(ミディアム):170cm前後の平均的な成人男性
- C(ラージ):180cm以上の大柄な方
この3種類のサイズで99%の成人がカバーされると言われていて、日本人の場合は「A」または「B」でフィットすることが多いです。
尚、身長・体重・体格によってもフィット感が異なるので、あくまでも目安として参考にしてみてください。
アーロンチェアは洗練されたデザインも魅力の1つ
ここまでアーロンチェアの機能や種類を紹介しましたが、毎日使う椅子となれば“見た目”も重要なポイントになるでしょう。
人によって好みは異なりますが、デザイン性に優れているのもアーロンチェアの魅力的の1つ。
この画期的なデザインは、MoMA(ニューヨーク近代美術館)において「永久コレクション」の地位も獲得し、日本ではグッドデザイン賞を獲得するなど折り紙付きです。
スタイリッシュなデザインなので、毎日見ても飽きることなく、どんな空間にも取り入れても存在感を放つことができるでしょう。
有名なハーマンミラー社・アーロンチェアならではの注意点
アーロンチェアの購入を検討する際は、実際に腰を掛けてみたり、製品に精通した方のレクチャーを受けたりすることをおすすめします。
知名度の高い会社・製品と言うこともあり、ネットでは数多くのレビューを見られますが、「肩凝り・腰痛が治らない」というような漠然的な意見も見られたりします。
このように断片的な情報だけだと、「アーロンチェアって良くないのかな」と思ってしまいますが、そもそも高機能チェアは体の不調を治す医療器具ではありません。
つまり、レビューを参考にするのは良いですが、“自分に合っているのか”を正しく確認することが重要です。
実際に座ってみることでクッション性などを確認でき、プロの方に尋ねることで自分に合ったサイズや正しい使い方についても確認できます。
また、椅子単体の機能も大切ですが、デスクの高さとの相性など全体的に判断することも重要です。
前述した肩凝り・腰痛などの問題も、デスクやディスプレイとの位置が合っていないことも十分に考えられます。
どんなに優れた高機能チェアでも万人に合うものは存在しないので、“自分に合っている椅子なのか”を意識して検討するようにしましょう。
ハーマンミラー社が誇る高機能チェア「アーロンチェア」まとめ
今回は、ハーマンミラー社の代名詞「アーロンチェア」について紹介しました。改めて紹介した内容を簡単にまとめてみます。
- 「8Zペリクルサスペンション」など健康面に配慮したメカニズムを搭載
- 12年間の長期保証を受けられる
- どんな空間にも調和する洗練されたデザイン
- 日本人にもフィットする設計・サイズ感となっている
価格を見ているだけでは“高い椅子”とイメージしてしまいますが、機能や特徴を理解すると“コストパフォーマンスが良い椅子”ということが分かります。
ユーザーからの評価も高く、最高峰のワークチェアであることに違いはないので、良質な椅子を求めている方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
